対面型にシフトする最終面接

面接を受けた時期について、文系では「2023年9月」に10%となった後、徐々に受験率が高まり、「2023年12月」には約3割に達します[図表15]。「2024年1月」に4割台、「2024年2月」に5割台となり、「2024年3月」には72%でピークを迎えます。以降、「2024年4月」は62%、「2024年5月」には50%と減少していきます。

一方の理系は、「2023年10月」に15%で文系の割合に追いつくと、「2023年12月」に41%、「2024年1月」に54%と文系よりも速いペースで増えていき、「2024年2月」「2024年3月」にはともに62%でピークとなります。その後「2024年4月」に47%、さらに「2024年5月」には30%とピーク時の半分以下に大きく減少します。採用面接を受ける時期は、理系のほうが先行する傾向が見られ、採用ニーズの高い理系人材の獲得に先行して注力する企業側の動きが影響しているものと推測されます。
[図表15]面接を受けた時期(複数回答)
最後に、面接の実施形式について確認します。一次面接における「オンライン面接」と「対面型面接」の割合をまとめたものが、[図表16]です。「すべて対面型面接」は、文系・理系ともに4~5%しかなく、「対面型面接のほうが多い」も文系で15%、理系で8%にとどまり、両方を合計した“対面派”は1~2割程度となっています。一方、「すべてオンライン面接」は文系で23%、理系では45%と半数近くに上り、「オンライン面接のほうが多い」は文系で46%と半数近を占め、理系でも32%と3割を超えるなど、両者を合計した“オンライン派”は文系で70%、理系では77%と“対面派”を大きく上回っています。“対面型への回帰”が叫ばれながらも、面接人数の多い一次面接では会場や面接官の手配などの手間を考えると、企業はまだまだオンラインの活用を捨て切れないようです。遠方からの応募者の負担に対する配慮もあるのでしょう。
[図表16]受けた一次面接の形式割合
一方、最終面接の実施形式を見たものが、[図表17]です。グラフの色合いが[図表16]の一次面接とは全く異なることが分かります。「すべて対面型面接」は、文系で38%、理系でも28%とそれぞれ最も多く、「対面型面接のほうが多い」も文系で30%、理系で24%を占め、両方を合計した“対面派”は、文系では68%と7割近く、理系でも52%と過半数に達しています。コロナ禍では、最終面接までのすべての面接をオンライン型に振り切った企業が多く見られましたが、内定辞退率の上昇をはじめ、企業・学生ともに相手の熱量を測りかねたり、オンラインでの人物の見極めの難しさを実感したりした反省から、対面型への揺り戻しがますます加速しているようです。

「すべてオンライン面接」は文系で6%、理系でも13%にとどまり、「オンライン面接のほうが多い」は文系で10%、理系でも16%となっており、両者を合計した“オンライン派”は、文系で16%、理系ではやや多いものの29%と3割を下回っています。理系のほうが“オンライン派”が多いのは、実験・研究等に忙しい理系学生に配慮する企業が一定数あるためと思われます。活用度は2割に満たなくなったとはいえ、推薦応募も重要な採用チャネルであることに変わりはなく、遠方からの応募者等とともに受験の負担軽減を図る観点から、最終面接までオンライン対応としている企業は少なくないでしょう。

次回も、引き続き「2025年新卒学生の就職活動動向調査(6月)」の結果を紹介します。

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