ガクチカ質問に工夫のひと手間を
ここで、コロナ禍で学生生活の大半を過ごした学生からの上記設問への切実な声を一つ紹介します。「いわゆるガクチカは、やはりコロナ直撃の学生に対して適した質問ではないと感じた。コロナ禍での工夫を知りたい、という趣旨のものもあるだろうが、やはりあらゆるものが制限され、大学生活をほとんどオンラインで過ごした学生ということを考慮して、企業側も例年の質問からひと手間変えた質問をしてくれないと、学生側はやはり答えづらいところがあると思った」(文系、早慶大クラス)
今回紹介した声は2023年卒学生からのもので、学部生であれば大学1年の終わりごろまではコロナ禍以前と同じ学生生活を送れていた学生たちです。これから採用・就職活動の本番を迎える2024年卒学生は、入学と同時にオンライン授業からスタートするなど、かなりの行動制限を強いられ、大学3年になってようやくキャンパスに足を運んだ学生たちになります。2023年卒学生以上に大変な思いをした学生たちであることを考慮した選考活動が必要ではないかと思います。
なお参考までに、冒頭で紹介した「2023年&2024年新卒採用動向調査」の結果の中から、ガクチカに関する二つのデータを紹介します。
一つは、「2024年新卒採用の面接で、ガクチカ(学生生活において力を入れて頑張ったこと)に関する質問をしているか(する予定か)」です[図表2]。「未定」と「面接官による」が合わせて40%あるものの、「している(する予定)」が53%と半数を超え、「していない(しない予定)」はわずか7%に過ぎません。