社員とのコミュニケーション、実務体験ワークが人気
さて、学生はインターンシップにどんなプログラムを求めているのでしょうか。フリーテキストで回答してもらった「インターンシップの内容で最も重視していること」を抜粋して紹介します。「社員とのコミュニケーション・座談会」や「実務体験・ワーク」を挙げる声が多くなっています。【社員とのコミュニケーション・座談会を重視】
・志望する職種の仕事体験ができること。説明会がメインのインターンシップもあるが、それは説明会として実施をすればいいわけで、せっかくのインターンシップなので自分の体験したい仕事をすることで働くイメージを明確化したい。さらに、社員の方と交流したい(理系、旧帝大クラス)
・企業の説明や社員との交流・コミュニケーションを通じて、会社や業界の課題・ニーズについての理解を深め、入社後の仕事内容をある程度イメージできるようになること(理系、その他国公立大)
・その企業の想(おも)いや色が伝わることです。理念に対して、社員がそれぞれ自分の形で語ることができている企業がいいと考えています(文系、上位私立大)
・社員の皆さまと関われる時間、グループワーク(文系、早慶大クラス)
・社員の方のお話を直接聞けること(理系、旧帝大クラス)
・社員の方のキャリアの歩み方を知ること(文系、その他国公立大)
・実際にどのような働き方やしているのか、直接社員さんの言葉で聞くこと(文系、上位私立大)
・実際に社員の方々とコミュニケーションを取れること(理系、中堅私立大)
・実際に社員と交流し、話を聞くことができること(理系、旧帝大クラス)
・座談会や、職種別のインターンであること(文系、上位私立大)
・実際の業務内容ができること、社員さんに深掘り質問ができることが重要(理系、上位国公立大)
【実務体験・ワークを重視】
・グループワークや実務体験を通じて、社員の方のフィードバックがより具体的にもらえ、それがその後の選考に生かせること(文系、上位私立大)
・どの業界の就活を行うに当たっても、ロジカルシンキングとグループワークは必須なので、企画立案やCXO視点でそういった力を養えて、フィールドバックももらえるインターンは大変魅力的。就活の早い段階では、上記の素養を養えるかどうかを最も重要視していた(理系、旧帝大クラス)
・志望する企業の職務について深い理解を得られること(理系、早慶大クラス)
・ケースワークはスキルアップにつながるので重要だと思う(文系、旧帝大クラス)
・具体的な業務が体感できるようなワーク(文系、旧帝大クラス)
・実際の業務を体験できること(理系、旧帝大クラス)
・現場見学(理系、旧帝大クラス)
・実際にものづくりを体験できるかどうか(理系、早慶大クラス)
・職種理解を深められるワークが含まれていること(理系、旧帝大クラス)
・将来、自分が志望職種で働いているイメージを持てるインターンシップが、最も得られるものが多いと思います(理系、上位国公立大)
【その他】
・内容はもちろん、学生人数や選考も大切にしている(理系、その他私立大学)
・“何をするか”も大切だが、“誰とするか”に重きをおいて参加すること(理系、その他国公立大)
・会社の雰囲気を知ること(理系、旧帝大クラス)
・インターンシップでしか得られない情報を得ること(文系、旧帝大クラス)
12月時点で、4人に1人が内定保有
次に、2023年12月の時点で、どの程度の割合の学生が選考(面接)段階にまで進んでいるのかを確認してみましょう。「0社」、つまりまだ面接に進んでいない割合は、文系では28%と3割を下回り、理系では41%となっています[図表15]。逆に言えば、文系の7割、理系の6割が既に面接に進んでいるということが分かります。面接した企業数では、文系・理系ともに「1社」が最多ではあるものの、割合としてはそれぞれ17%、20%と2割程度にとどまっています。一方、既に複数社と面接している学生の割合は、理系で39%、文系に至っては55%と過半数に上っています。特に文系では面接が進んでいる学生の割合が多く、既に10社以上(「10~19社」と「20社以上」の合計)の企業と面接した学生の割合が1割近くにもなっています。
「0社」、つまり「面接には進んでいるものの、インターンシップ経由の企業は1社もない」と回答した割合は、文系で11%、理系で21%にとどまり、早期の面接選考はインターンシップ参加がきっかけになっているケースが大半であることがうかがえます。
年々、採用活動の早期化が叫ばれていますが、2025年卒採用の内定出しタイミングは、予想以上に早期化が進行しているようです。ただ、内定が出たからと言って、すぐに就職活動を終了する学生ばかりではありませんから、2024年卒採用でも見られた内定辞退や内定承諾保留の学生がさらに増えることが予想されます。