大企業の3割が内定出しを前倒し

最後に内定を出し始めるタイミングについても確認してみましょう。大企業と中堅企業では、「2024年4月」が最多で、それぞれ15%、17%となっています[図表14]。中小企業においては、最多は「2024年7月以降」の31%であるものの、「2024年4月」も19%で二番目に高くなっています。内定出し開始のピークは、「2024年4月」だと言ってよさそうです。
図表14 内定出しの開始時期
ただし、大企業と中堅企業では最多である「2024年4月」もそれほど高い割合ではなく、「2023年6月以前」から順次分散的に内定出しが開始される様相を呈しています。

「2023年6月以前」からの累計で見てみると、「採用広報解禁前」に大企業で47%、中堅企業でも45%と半数近くが内定を出し始めているのに対して、中小企業では22%と、それらの半分以下にとどまります。内定出しのピークである「2024年4月」までの累計で、中小企業はようやく55%と、半数を超えることになります。一方、大企業と中堅企業では、「2024年4月」にはそれぞれ74%、71%と7割を超えるまで進むことになりそうです。[図表12]で見たように、面接開始時期では大企業よりも後れを取っていた中堅企業ですが、内定出しのタイミングでは大企業に追い付く形になっています。中堅企業のほうが、1人当たりの選考期間(選考ステップ)が短いのではないかと考えられます。

では、この内定を出し始めるタイミングは前年と比較して早くなっているのでしょうか。内定出しの開始時期について、前年との比較を聞いた結果が[図表15]です。いずれの企業規模でも最多は「ほとんど変わらない」で、68~81%となっています。「遅くなる」と回答した企業は3%以下にとどまり、残りの企業は「早まる」と回答しています。その割合は、大企業で30%、中堅企業で26%、中小企業で16%と、規模が大きくなるほど「早まる」割合が高くなっています。

中でも「早まる(1カ月超)」とする割合が最も高く、大企業と中小企業で11%、中堅企業に至っては19%に及びます。中堅企業においては、面接以上に内定出しを早めようとしている企業が多いことがうかがえます。2025年卒採用における内定出しのスケジュールは、2024年卒採用と比較してもさらに早まることは必至のようです。
図表15 内定出しの開始時期の前年比較

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