中堅企業の2/3が23卒採用よりも「大変になった」

2024年卒採用と2023年卒採用を比較しての所感を聞いてみました。全体では、「変わらない」が45%で最も多く、次に「やや大変になった」が27%、「かなり大変になった」が25%と続きます。また、「楽になった」(「かなり楽になった」と「やや楽になった」の合計、以下同じ)と回答した企業はわずか3%です[図表13]。圧倒的に「大変になった」(「かなり大変になった」と「やや大変になった」の合計、以下同じ)と感じている企業が多くなっています。

企業規模別に見ると、大企業では「大変になった」と「変わらない」がどちらも50%であり、「楽になった」は1社もありませんでした。一方、中堅企業では、「変わらない」が32%であり、他の規模より少なく、その分、「大変になった」が64%と3分の2近くにもなっています。
図表13 23年卒採用と比較した24年卒採用活動の所感(単一回答)
「大変になった」と感じる理由のフリーコメントを抜粋して紹介します。母集団の減少と内定辞退を挙げる声が多くなっています。

【2023年卒採用を比較して2024年卒採用が「大変になった」と感じる理由】
・エントリーから会社説明会への参加率が大きく減少した(300名以下、メーカー)
・内定辞退が多くなった(301~1000名、メーカー)
・途中での選考辞退が増加したため(301~1000名、情報処理・ソフトウェア)
・学生が内定を複数持っているケースが増えており、クロージングに時間がかかっている(1001名以上、サービス)
・エントリー数の減少。第一志望のない学生が増えたことによる内定承諾への躊躇(ちゅうちょ)(301~1000名、メーカー)
・応募数が減少したので追加施策を実施したため(301~1000名、運輸・倉庫)
・学生の応募数が激減したため(1001名以上、メーカー)
・エントリー数が昨年の半分くらいになった(300名以下、情報処理・ソフトウェア)
・母集団獲得に苦慮しているが、さらに大変になった(1001名以上、サービス)
・特に理系採用は、年々エントリーが減り、内定承諾率もなかなか上がっていかない状況にある(1001名以上、メーカー)
・内定後のフォローに相当工数がかかる(1001名以上、メーカー)
・就職活動を終える人が増えている印象(300名以下、情報処理・ソフトウェア)
・採用人数が増えた上に、質も求められたから(1001名以上、情報処理・ソフトウェア)
・採用手法の多様化(1001名以上、商社・流通)
・学生の意向が多様化しており、トレンドがつかみにくいと感じる(1001名以上、メーカー)

肯定面よりも否定面が多い2024卒学生の印象

最後に、2024年卒学生についての印象や傾向についてのフリーコメントを抜粋して紹介します。皆さんはどんな印象をお持ちになりましたか。

【2024年卒学生についての印象や傾向―肯定的側面】
・真面目で熱心な学生が多い。志望者が予想以上に多かった(300名以下、メーカー)
・コロナ禍の学生生活の影響を心配していたが、現時点では感じることはない(1001名以上、商社・流通)
・コロナ禍の状況下においてでも自分が打ち込んできたものを、明確に説明することができていた(300名以下、商社・流通)
・積極性が高くなっているように感じる(301~1000名、サービス)
・エンゲージメント、成長がイメージできることを強く求めている印象(301~1000名、サービス)
・今年に限らず、現代の学生さんは素直で誠実です(301~1000名、メーカー)
・「取りあえずエントリーを」という学生が減った。 道草を食わない=タイパ重視の表れか(300名以下、商社・流通)

【2024年卒学生についての印象や傾向―否定的側面】
・積極性に欠ける(300名以下、建築・土木)
・就職活動の早期化および活動量の減少(300名以下、メーカー)
・就職する「気」がない(300名以下、建築・土木)
・無表情(300名以下、運輸・倉庫)
・覇気がない。質問が少ない(301~1000名、商社・流通)
・1社にこだわりを持っているよりも、内定を獲得した中から最終的な入社先を選定する内定コレクターが増えた印象(1001名以上、情報処理・ソフトウェア)
・指示しないと何もしない。呼びかけ等に対する反応が薄い(1001名以上、メーカー)
・サークルやアルバイトをしている学生が減った。ただやっている学生とそうでない学生の差が広がった感じがする(300名以下、情報処理・ソフトウェア)
・内定承諾に時間を要する(300名以下、情報処理・ソフトウェア)
・内定を出しでも、就職活動を続けている。内定を持っていても、選考を受けに来て、内定保持を増やしているような気がする(301~1000名、メーカー)
・毎年大人しくなっていく印象。実際にどう考えているかは、よくよく聞き出さないと分からない。しかし、人事担当のオジサンには絶対にしゃべらない。若手社員に聞き出してもらうしかない(301~1000名、商社・流通)
・志望度が読めない(301~1000名、サービス)
・ワークとライフのバランスが3:7くらいに感じる(300名以下、サービス)
・例年以上に前に踏み出す力が弱い学生が多い(301~1000名、サービス)
・決めきれない、自分の気持ちが分からない学生が多い印象。また、年収など「こんなこと聞くの!?」と感じてしまうようなことも躊躇なく聞けてしまう学生が多く、売り手市場感がある(301~1000名、メーカー)
・オンライン面接に慣れている学生が増えた。手元にChatGPTで作成したと思われる原稿を置いている学生が散見された(1001名以上、メーカー)

【2024年卒学生についての印象や傾向―肯定的、否定的側面の両方】
・就職活動に向けて意識の高い学生と、低い学生の差がより顕著になっていると感じる(300名以下、メーカー)
・真面目さを感じる一方、柔軟性に欠けるように感じる(300名以下、メーカー)
・学生の意向が多様化しており、トレンドがつかみにくいと感じる(1001名以上、メーカー)

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