インターンシップの前倒しと対面型の増加
「インターンシップの開催時期」について、2023年卒向けインターンシップと比較したのが[図表9]です。2024年卒採用では、冬期休暇中であるにもかかわらず「3年生1月(2023年1月)」(23年卒採用40%→24年卒採用30%)や「3年生2月(2023年2月)」(同32%→同22%)はいずれも10ポイントも減少し、同様に「3年生9月(2022年9月)」(同40%→同30%)も10ポイント減少しています。以前は、夏期休暇と冬期休暇の間の授業期間に当たる「3年10月」~「3年12月」にインターンシップを開催する割合は少なかったものですが、今ではオンラインでの開催も当たり前になったことから、学業への影響は少ないとして、どの月も30%程度の企業が開催しています。それどころか、「3年生12月」はかつての「3年生1月」や「3年生2月」に代わって、「3年生8月」に次ぐ二つ目のピークにまでなっているなど、明らかにインターンシップ開催時期の前倒し傾向が見られます。
前述の「2024年新卒採用でより重要になると思われる施策」で全体の3位となった「対面型インターンシップ」について、その実施割合を前年比較で答えてもらったのが[図表10]です。
従業員規模別で見ると、大企業では「増加した」が30%にも達し、中小企業でも18%と2割近くになります。中小企業の数値が大企業よりも低いのは、もともと「対面型」で実施していた割合が高かったためと推測されます。「対面型インターンシップ」を「2024年新卒採用でより重要になると思われる施策」として、自社にも当てはめた企業が少なくないことが分かります。
学内企業セミナー参加数は拡大傾向
ここでは、「プレエントリー数の前年比較」の結果を紹介します。全体では、「前年同時期より少ない(3割以上少ない)」14%、「前年同時期より少ない(1~2割程度少ない)」24%で、合わせて38%と4割近い企業が「前年同時期よりも少ない」(以下同じ)と回答しています[図表11]。一方、「前年同時期より多い」はわずか9%です。ただ、多くの企業で、昨年から実施してきたインターンシップへの応募はプレエントリーではなく、あくまでも自社の採用ホームページや3月1日以降に就職ナビからあったエントリーのみをプレエントリーとしてカウントしているものと推測されます。その結果、インターンシップ応募者に再度のプレエントリーを求めない限り、「前年同時期よりも少ない」との回答割合が多くなっていることにもうなずけます。
次に、前述の「2024年新卒採用でより重要になると思われる施策」において、特に中堅企業で割合が高い「学内企業セミナー」について、参加大学数を前年比較してもらったところ、全体では「減らす」はわずか2%にとどまり、「増やす」は24%と4社に1社にまで及ぶことが分かりました[図表12]。