オンライン対応はニューノーマルな採用様式

サマーインターンシップとウィンターインターンシップについて、それぞれの開催形式を確認したのが[図表11][図表12]です。
第118回 「オンラインインターンシップ」を始める企業が増加――HR総研「2022年新卒採用動向調査」
まず、サマーインターンシップを見てみると、全体では「すべてオンライン形式で実施」が51%と半数を超え、次いで「すべて対面形式で実施」の32%、「対面形式とオンライン形式を混合して実施」の16%となっています。企業規模別に見てみると、「すべてオンライン形式で実施」の割合は企業規模が大きくなるほど高くなり、中小企業では41%なのに対して、中堅企業では55%、大企業に至っては67%と、3分の2の企業に及んでいます。逆に、「すべて対面形式で実施」とする企業は、大企業では22%にとどまるのに対して、中堅企業27%、中小企業ではオンライン形式と並ぶ41%となっています。企業規模によって、傾向がきれいに分かれた形です。

一方、ウィンターインターシップを見てみると、全体ではまだ「検討中」とする企業が20%あるものの、「すべてオンライン形式で実施」は27%に減少し、「すべて対面形式で実施」(22%)を抑えて、「対面形式とオンライン形式を混合して実施」が31%で最も多くなっています。企業規模別に見ても、サマーインターンシップでは「すべてオンライン形式で実施」する企業が67%だった大企業ですら38%と30ポイント近く減少し、「すべて対面形式で実施」は13%と少ないものの、「対面形式とオンライン形式を混合して実施」がサマーインターンシップの11%から25%へと倍増以上となっています。

結果論にはなりますが、新型コロナウイルスの月別の1日当たりの平均新規感染者数(全国)の推移 [図表13]と合わせて振り返ってみましょう。
第118回 「オンラインインターンシップ」を始める企業が増加――HR総研「2022年新卒採用動向調査」
1日当たりの平均新規感染者数が79.9人だった「2020年5月」や、同62.2人だった「2020年6月」に、応募学生や社員の安全を考えてすべての面接選考をオンラインで対応していたことを考えれば、同500人を超えている「2020年7月」以降において、面接選考やインターンシップ等を対面形式で実施してきた企業が少なくなかったことが、今となっては不思議に思えてなりません。ましてや、同5000人を優に超える現在では対面形式はあり得ないでしょう。採用人数や参加人数の多寡はもはや関係ありません。

昨年はオンライン対応が間に合わなかった中堅・中小企業においても、今年はインターンシップだけでなく、採用活動そのもののオンライン化に対応せざるを得ない年となっています。いや、今年だけでなく、これからしばらくはこれがニューノーマルな採用様式(手法)として続くものと覚悟したほうがよいでしょう。オンライン会議ツールの活用を考えれば、決して多額な予算が必要となるものではありませんし、難しいことでもありません。ぜひチャレンジしてみてください。

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