「早期化」「インターンシップ」「選考期間の短縮化」がキーワード

最後に、2018年新卒採用を振り返ってみて、こうすればよかったと反省していることについて、新卒採用活動を継続している企業とすでに採用活動を終了した企業とに分けて、採用担当者のコメントを紹介します。反省点を踏まえて、2019年新卒採用では改善して臨むことになります。

まずは、採用活動を継続している企業です。

【大企業】
・内定を1、2社もらって就活を終える学生が多いが、業界研究、企業研究は不十分なまま終える学生の割合が高いように思う。もう少し活動を早期化すればよかった(商社・流通)
・インターンシップでは実務体験を主体にしてきたが、「働き方」「職種」「職場」の魅力を伝える内容に変えたほうがよかった(メーカー)
・エントリーから選考終了までの時間を短縮し、他社に先行して内定を出されるケースを減らす必要があった(メーカー)
・内定後のフォローを充実させることで、内定辞退率を引き下げる必要があった(メーカー)
・インターンシップは開催したほうがよかった(メーカー)

【中堅企業】
・内定応諾の期間を長く待ちすぎた。内定有効期間をもっと短くして、第2弾・第3弾への切り替えをもっと早く行えるようにしておけばよかった(商社・流通)
・インターンシップを行い、早くから学生との接点を持ったり、動きを注視してアクションを起こしたりしていくべきだった(サービス)
・もっと早期からの活動が必要だった。予算は限られていたが、各地での合同企業説明会などに積極的に参加できればよかった(サービス)
・構造化面接を開始すべきだった。来年度から所定質問を三つ設定し、回答を記録することで後々のデータ解析に使用する(サービス)
・3月解禁前の活動強化による母集団形成(サービス)
・予想していたより他社の内定出しのスピードが早かったため、選考辞退が多くなってしまった。選考開始から終了までの期間を短くなるよう、もう少し調整したかった(メーカー)
・もっと学生の前に露出するような手段(インターンシップやセミナーなど)を講じればよかったかもしれない(メーカー)
・これだけ売り手市場になった以上、中小企業は大手企業の採用内定が一巡するまではじたばたしても始まらないように思います(情報・通信)
・就職協定(指針)にとらわれずに、活動すればよかった(情報・通信)

【中小企業】
・もっと積極的に学生にアプローチすべきであった(メーカー)
・全体的にもう少し採用スケジュールを前倒しにするべきであった(メーカー)
・世間のうわさに流されず、独自の判断で行動する(メーカー)
・中途採用との人員バランスを考えずに、しっかりと新卒で採り切るという指針を明確に出すべきであった(サービス)
・面接官、先輩面談者との意思連携ができていなかったこと。それぞれが学生へ向けてよいと思うことをしていたが、選考時に学生へ伝えることの共有ができていないために同じ対応が目立ち、学生の意欲の底上げをできなかったことが、辞退率にも響いていたように感じる(情報・通信)

インターンシップをはじめ、3月の解禁前に学生との接点をもっと持つべきだったという企業、選考時期の前倒しだけでなく選考期間の短縮化を図るべきだったという企業、面接手法の見直しをすべきだという企業が多いようです。中には、「中小企業は大手企業の採用内定が一巡するまではじたばたしても始まらない」という声もありますが、早期化(前倒し)・短縮化の流れは止められないようです。

続いて、採用活動を終了した企業の反省コメントです。

次ページへ

この記事にリアクションをお願いします!