インターンシップ参加は就職活動を有利にするため

対面型が増えてくると、オンライン型よりも受け入れ人数は限られるため、事前選考を行うケースがほとんどになります。では、どんな事前選考が多いのでしょうか。[図表11]は事前選考の方法(複数回答)について、文系学生が経験した割合の多い順に並べたものです。文系、理系ともに「エントリーシート」が最多となり、文系で83%、理系では文系より10ポイント高い93%となっています。これに「適性検査」(文系70%、理系73%)が続き、文系・理系ともに7割以上が経験しています。「面接」(文系51%、理系49%)はどちらも約半数が経験していますが、同じ面接系の選考方法でも「グループディスカッション」は、文系が48%で「面接」とほぼ同割合の学生が経験しているのに対し、理系は31%で「面接」と20ポイント近い差があります。また、「企業指定の課題」についても、文系の38%に対して、理系は20ポイント以上低い17%となっており、企業から課されるケースはそれほど多くないようです。理系の選考では、他者との関わり方を見たり、思考力や文章力を測ったりする選考はそれほど重視されていないことがうかがえます。理系学生の負担になることはなるべく避けようという狙いもあるのかもしれません。
[図表11]インターンシップ参加の事前選考方法(複数回答)
インターンシップに参加する主な目的を複数選択で尋ねたところ、文系・理系ともに「選考優遇など就職活動を有利にする」が最多で、それぞれ65%、59%と6割前後に達します[図表12]。インターンシップ参加後の早期選考やエントリーシート免除など、インターンシップに参加しなかった学生よりも有利になることを期待しているようです。

文系では次いで、「業界・職種・企業への理解を深める」(53%)、「仕事内容が自分に合うかを確認する」(47%)が続きます。一方、理系の二番手は「本選考前に経験を積む」(56%)で、「業界・職種・企業への理解を深める」(55%)や「企業と自分の相性を確認する」(53%)、「仕事を体験してみる」(51%)も半数以上となるなど、インターンシップを通じて具体的な職務体験や選考対策に活用しようとしていることがうかがえます。また、理系では「人脈を増やす」が文系の2倍に当たる16%となっている点も目を引きます。「人脈」は、同じインターンシップに参加した学生、受け入れ企業の従業員の双方を指しているものと思われます。
[図表12]インターンシップ参加の主な目的(複数回答)

文系の3割近く、理系の4割近くが「1週間程度」タイプに参加

インターンシップへの参加時期(予定含む、複数回答)については、文系では「2024年8月」が最多で62%、次いで「2024年9月」が54%、「2024年10月」が41%などとなっており、夏季休暇期間の参加率が特に高いことが分かります[図表13]。また、「2024年11月」(39%)、「2024年7月」(36%)にも比較的多くの学生が参加しています。「2024年6月」には早くも24%が参加しているなど、早期から満遍なく参加しているようです。

一方、理系では「2024年9月」が65%で最も多く、「2024年8月」も64%とほぼ同割合となっています。「2024年10月」(43%)や「2024年11月」(35%)も比較的多いですが、「2024年7月」(27%)は3割を下回り、「2024年6月」はわずか8%にとどまるなど、文系と比較して理系は「早期から満遍なく」というよりも、「2024年8月」と「2024年9月」の2カ月間に集中して参加している様子がうかがえます。

かつては、夏季休暇である「8月」「9月」と並んで、冬季休暇の「1月」「2月」にもう一つの参加のピークがありましたが、近年では冬季休暇中の参加は大きく減少しています。今回の調査でも「2025年1月」と「2025年2月」は、文系でそれぞれ14%、10%、理系ではともに8%にとどまります。そもそも2月になると、マイナビ、リクナビなどの就職ナビを見ても、「インターンシップ検索」はもはやメニューに見当たらなくなっています。政府主導の就活ルール「3月1日 採用広報開始(会社説明会開始)」は全く意味をなさなくなっており、ルール存続の意義が改めて問われていると思います。
[図表13]インターンシップ参加時期(予定含む)(複数回答)
参加したインターンシップの期間(複数回答)について、文系・理系ともに最も多かったのは「1日」タイプで、それぞれ63%、65%と6割を超えています[図表14]。次いで、「2~3日程度」タイプが文系60%、理系53%で続きます。かつては“手軽にセミナー感覚で参加できる”として参加者が多かった「半日」タイプは、文系36%、理系40%と半数に満たない割合にとどまっています。これは、「半日」タイプを実施する企業が減少していることも影響しているのでしょう。

一方、実施期間「5日間以上」など一定の条件を満たせば、インターンシップで得られた学生情報を採用選考に使用可能とされている「汎用的能力活用型インターンシップ」への参加状況はどうでしょうか。「1週間程度」タイプを選択した学生は、文系で27%と3割近く、理系では37%と4割近くに達します。「1週間程度」タイプを実施する企業が増えたことに加え、実務体験や従業員との交流を重視する学生側のニーズと合致したということなのでしょう。来年度以降、実施する企業、参加する学生ともにさらに増えるものと推測されます。
[図表14]参加したインターンシップの期間タイプ(複数回答)

圧倒的に「対面型」インターンシップを望む学生

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