2割以上がダイレクトソーシングを実施

次に、企業が採用候補者へ自らアプローチして行うダイレクトソーシングの実施状況を見てみましょう[図表7]。全体では、「実施している」が22%と2割以上になっています。企業規模別で見ても、中堅・中小企業での実施率のほうが少し高いとはいえ、大企業でも18%の企業が「実施している」としており、企業規模による差はそれほどなくなってきているようです。
第118回 「オンラインインターンシップ」を始める企業が増加――HR総研「2022年新卒採用動向調査」
では、ダイレクトソーシングの内容はどうなっているのでしょうか。施策内容を確認したのが[図表8]です。全体では、「逆求人型ナビの活用」が79%で最も多く、次いで「社員からの紹介(リファラル採用)」の36%となっています。
第118回 「オンラインインターンシップ」を始める企業が増加――HR総研「2022年新卒採用動向調査」
企業規模別で見ても、「逆求人型ナビの活用」はすべての規模でトップとなっており、中小企業では84%に達し、大企業でも60%となっています。次点の「社員からの紹介」は、大企業ではトップの「逆求人型ナビの活用」と同じ60%となったものの、中堅企業では44%、中小企業では26%と企業規模によって実施率にはかなりの開きが出ています。

「社員の紹介」といっても、キャリア採用と違って、対象者が学生(一部、若年既卒者も含む)限定となると、紹介者は必然的に新入社員を中心とした若年層が主体となります。採用数の多い大企業であれば紹介者の人数も多くなりますが、中小企業では紹介できる学生の知り合いがいる社員が少ないという背景もあるのでしょう。

インターンシップのピークは1月

次は、インターンシップの実施状況を見てみましょう[図表9]。全体では、10月中旬時点での調査というのに「未定・検討中」の企業が24%と4分の1もあります。
第118回 「オンラインインターンシップ」を始める企業が増加――HR総研「2022年新卒採用動向調査」
1~2月のウィンターインターンシップを実施する場合には、プログラムの計画・調整期間や募集期間、事前選考期間などを考えれば、少なくとも実施するかどうか程度は決まっていないと、現実的には実施することはかなり難しいといえます。「実施する」(「前年は実施していないが、今年は実施する」と「前年同様に実施する」の合計、以下同じ)企業は47%と半数を下回り、「実施しない」(「前年は実施したが、今年は実施しない」と「前年同様に実施しない」の合計、以下同じ)企業が28%と3割近くとなっています。

企業規模別で見ると、「実施する」企業は大企業(54%)と中堅企業(53%)では半数を超えたものの、中小企業では43%にとどまりました。特に注目したいのは、大企業で「未定・検討中」の割合が全体よりも多い25%に及ぶことと、「前年は実施したが、今年は実施しない」とする割合がこちらも全体よりも多い7%もあることです。採用計画数同様に、大企業での数字の落ち込みが顕著となっています。

インターンシップの開催時期について聞いた結果が[図表10]です。これまでは、「8月」に1回目のピークが来て、「2月」にそれよりもさらに少し高い2回目のピークが訪れ、「9月」と「1月」はそれぞれのピークにおいて2番目に高くなることが通例でした。ただし、今回の結果を見ると、1回目のピークは「9月」(40%)で、「8月」(37%)はそれよりも低くなっているとともに、「10月」(36%)、「11月」(37%)との差もほとんどありません。こうなると、「9月」をピークと呼んでいいのかも疑問に思えてしまいます。
第118回 「オンラインインターンシップ」を始める企業が増加――HR総研「2022年新卒採用動向調査」
今回の調査で最も高かったのは「2月」(57%)ではなく、「1月」(61%)で6割を超えています。驚くべきは、「12月」と回答した企業が51%と半数を超え、「9月」よりも高くなったことです。2021年卒採用の遅れによって、8~9月のサマーインターンシップを実施できなかった企業が少なくなく、結果的にウィンターインターンシップに集中する結果となったものと思われます。

オンライン対応はニューノーマルな採用様式

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