今後参加予定のインターンシップも「1日」が最多で8割

「今後参加予定のインターンシップのタイプ」については、すでに参加したタイプと同様に「1日」が最多で、文系85%、理系77%にも上ります[図表7]。次いで「2~3日程度」が文系64%、理系55%であり、「半日」が文系38%、理系29%などとなっています。すでに参加したタイプの傾向と異なり、「2~3日程度」が2位となり、文系・理系ともに5割以上を占めています。
第105回 9割の2021年卒生がインターシップに参加。1回の日数の理想と現実や、実際の就職との関係性とは
夏期には「1週間」以上のインターンシップを実施した企業も、これからの時期に「1週間」以上のタイプを実施するのは現実的ではなく、1Dayタイプとの中間的タイプとして「2~3日程度」のインターンシップに切り替える企業が増えるものとみられます。また、学生側もこれまでに参加したインターンシップでの経験を踏まえ、より志望度の高い企業に対し、学校の休みである週末や冬期休暇等を活用し、「半日」や「1日」タイプより深く企業を知ることができる「2~3日程度」のタイプを選ぶ学生も増えてくるものと思われます。

最も望ましいインターンシップは「2~3日タイプ」

そもそも学生が望むインターンシップはどのようなものでしょうか。学生の経験を基に、「最も望ましいと考えるインターンシップのタイプ」を聞いたところ、文系・理系ともに「2~3日タイプ」が最多となり、文系61%、理系52%となっています[図表8]
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今後参加予定のインターンシップのタイプで「2~3日程度」が増加したことからも分かるとおり、できるだけ多くの企業のインターンシップに参加すべく、比較的お手軽な「1日」や「半日」のタイプに参加せざるを得ない状況にあるものの、実際は「2~3日タイプ」が望ましいインターンシップのタイプであると感じていることが分かります。やはり、就業体験を通して企業を知ろうと考えると、ある程度の時間が必要であることがうかがえます。

学生が「2~3日タイプ」が望ましいと考える具体的な理由としては、「1日程度だと企業のことは理解できず、3日以上であると学校を欠席しないといけなくなる」が非常に多く、「(2~3日程度であれば)就活仲間も作れる」や「企業の負担を考えるとこの程度が良い」等の他、「コンテストタイプのインターンシップで実績を残すことが目的」と明確な目的を持って臨む強者の学生もいるようです。

インターンシップ参加後は「次回インターンシップの案内」が最多

「インターンシップに参加した企業からの、参加後のアプローチ」については、「次のインターンシップの案内」が70%で最多であり、次いで「特別セミナーの案内」が40%、「(プレ)エントリー受付開始の案内」が33%、「早期選考会の案内」が31%などとなっています[図表9]
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この傾向は、文系・理系ともに同様であり、企業としては、次回のインターンシップの案内に加え、特別セミナー等を案内することにより、インターンシップを学生の囲い込みに活用したいことがうかがえます。この傾向は、3月までは採用選考の広報活動をしてはならないという経団連ルールの廃止により、今後、さらに強まっていくことが推測されます。

今年3月に実施した2020年卒学生向けの調査で同様の質問をした際には、最多は「早期選考会の案内」で52%と半数以上に及んでいました。つまり、早期のインターンシップ参加者に11月上旬の段階で「早期選考会の案内」を行う企業はまだ3割程度にとどまるものの、年明け以降に「早期選考会の案内」が急増することが推測されます。また、今回の調査から、早期インターンシップ参加者に対して、すぐに早期選考を行うのではなく、「次のインターンシップ」や「特別セミナー」を挟むことで、しかるべき選考時期までの囲い込みを行おうとしている姿が浮かび上がります。

現時点の内々定取得とインターンシップ参加との関係性は...

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