成功事例、失敗する会社の傾向について
清水 「リファラル採用がうまくいくか・いかないか」のポイントは、実は12項目ほどだと私たちはみています。しかし「ここが問題ではないか」という点が、経営側と現場で一致していない場合が多いです。それが「社員の人脈が足りていないのではないか」なのか、「募集ポジションが社員に周知されていないのではないか」、あるいは「自分の会社が社員にとって『紹介してもいい会社』になっていないのではないか」なのかは企業によって変わってくると思いますが、経営側と現場で問題点の認識を一致させることで、どの企業でもリファラル採用を伸ばす可能性が増えると考えています。
髙森 リファラル採用には創意工夫が大切だと思っています。最近ある企業に聞いて面白いと思ったのが、社員の給与明細に「リファラル採用募集」の告知をしたところ、急にたくさんの紹介があった話です。
また別の企業では、トイレの個室の扉の内側に募集のチラシを貼ったりもしたそうです(笑)。すべてがうまくいくわけではありませんが、とにかく工夫をしなければヒットは生まれませんので、失敗を恐れず試していただきたいですね。
白潟 いきなり全社を挙げてリファラル採用を始めるということはおすすめしません。小さな規模から始めていく方がリスクは少ないですから。
そしてリファラル採用で入社した方が好感触だった場合、結果的にその人がプロモーターになって社内にリファラル採用を普及してくれることになります。
また、リファラル採用は必ずしも「個人で口説く」ことが正解ではありません。「団体で口説く」ことが功を奏すことがあります。特にエンジニアには、勉強会やイベントといった別の接点を用意して、複数人で口説く場を設けることも効果的です。
今後、リファラル採用をどのように盛り上げたい?
白潟 現在の状況を見ると、無理に盛り上げずとも自然とリファラル採用が増えていくだろうと感じています。また、リファラル採用は「お金がかからない」「退職者が少ない」というメリットと「手間がかかる」「不採用者に気を遣う」というデメリットが明確にあります。今後はデメリットをさらに減らす方策を増やしたいと思っています。髙森 例えば「働き方改革」は、政府が主導して「盛り上げようとしている」ものです。しかし、リファラル採用は現場での必要性から、じわじわとニーズが高まってきているものであり、このまま自然に盛り上がっていくと思います。リファラルの語源である「refer(言及する、触れる)」の意味の通り、普段から友人や仕事仲間とお互いの仕事について話ができる環境づくりが大切ではないでしょうか。
清水 ついつい人に自慢したくなるような仕事に就けるよう、多くの人をサポートするのが我々のミッションです。リファラル採用がうまくできている会社は本当にかっこいいと思っています。そういった企業の力になれるよう、これからも進んで行きたいですね。