大企業で1Dayタイプが主流になる一方で、中小企業は長期タイプも模索
続いて、実施予定のインターンシップのタイプ(期間)を聞いてみたところ、圧倒的に1Dayタイプ(半日~1日程度)のインターンシップが多くなっています[図表4]。最も多い「1日程度」タイプを予定している企業は全体で59%、企業規模別では大企業が最も多く、67%と3分の2に及びます。「半日程度」のタイプを予定している大企業は29%と他の企業規模よりは少なくなっていますが、1Dayタイプのいずれかを予定している企業は全体で84%、大企業でも76%に達します。中小企業では、「2週間程度」タイプのインターンシップを実施している割合が18%と大企業(14%)よりも高くなっているほか、「3週間~1カ月程度」タイプが6%、「1カ月以上」タイプが9%と、いずれもどの企業規模よりも高くなっています。1Dayも実施する一方で、「複数日程~長期」タイプのインターンシップを実施する企業も53%と過半数に達するなど、自社に適したインターンシップを模索する動きが最も盛んであると言えそうです。
早期化に拍車がかかる中小企業の新卒採用
自社の2021年新卒採用活動スケジュールの予定を回答してもらったところ、最も多かったのは「ほとんど変わらない」とした企業で、全体で66%と3分の2の割合でした[図表5]。ただし、次いで多かったのは、「1カ月超早まる」とした企業で、全体で17%という結果でした。意外と進まない「通年採用」
政府が採用スケジュールの維持を打ち出してはいるものの、経団連が自主的に設定していた指針を廃止すると表明した影響は少なくないでしょう。ただ、1年目の2021年卒採用では若干の時期の早期化が予想されるものの、中長期的に見て「通年採用」への動きは加速するものでしょうか。ここでは、4月22日の「産学協議会」の提言にあるような、「新卒一括採用」と「通年採用」の併用ではなく、二者択一としての新卒採用の「通年採用化」の可能性について聞いてみました[図表6]。「いずれ通年採用を実施すると思う」企業においても、「いずれ」はどの程度の期間をイメージしているかは回答企業によってバラバラでしょう。数年以内をイメージしている企業もあれば、10年から20年というスパンで考えている企業もあるでしょう。「いずれ通年採用を実施すると思う」企業が4割近くあるとは言え、経団連が手を引くことで一気に採用戦線が様変わりすることはなさそうです。今回の「産学協議会」の提言にあるように、目安となる時期の論争はあるとはいえ、「新卒一括採用」は当分なくならないと考えたほうがよさそうです。