出戻り転職の“きっかけ”は「在籍時の上司に誘われた」が最多
転職や独立などのために一度退職した会社に、一定期間ののちに再度転職することを「出戻り転職」という。企業側から見ると、自社の離職者を再雇用する「アルムナイ採用」であるが、人手不足社会における即戦力人材確保や人材マッチングの観点から、こうした出戻り転職は増加傾向にあるという。では実際に転職を考えている人は、この「出戻り転職」についてどのように考えているのだろうか。はじめにエン・ジャパンが、全回答者を対象に「一度退職した会社に“出戻り転職”したことはあるか?」と尋ねると、「ある」との回答は9%にとどまったという。
そこで、「出戻り転職したことがある」とした人に対し、「出戻り転職のきっかけ」を尋ねると、最多となったのは「在籍時の上司に誘われた」で35%となった。以下は、「在籍時の社長・役員・人事に誘われた」および「自分から企業側に相談した」がともに24%、「在籍時の同僚・後輩に誘われた」が19%となっている。“出戻りのきっかけ”は、在籍時の上司や同僚からの誘いであることが多いようだ。
出戻り転職の“理由”は「即戦力として働けると思った」や「馴染みがあり、働きやすい」など
続いて、同回答者に対し「出戻り転職した理由」を尋ねている。すると、トップは「即戦力として働けると思った」(35%)、次いで「社員や風土に馴染みがあり、働きやすいと思った」(34%)となった。また、年代別の結果を見ていくと、年代によるポイントの違いが最も大きかったのは「転職先で上手くいかなかった」で、20代の28%に対して40代は8%と、20ポイントの差が生まれている。
6割以上が「出戻り転職したいと思わない」と回答
次に同社は、はじめの質問で「出戻り転職したことがない」とした人に対し、「出戻り転職したいと思うか?」と尋ねた。その結果、「思う」が13%(とても思う:3%、思う:10%)だった一方、「思わない」は61%(思わない:26%、まったく思わない:35%)と6割を超え、「出戻り転職」に消極的な人が多数派であることがわかった。出戻り転職したい理由は「経験を生かして還元できそう」、「かつての同僚と働きたい」など
続いて、前質問で「出戻り転職したいと思う」とした人に対し、「出戻り転職したい理由」を尋ねている。すると、上位となったのは「経験を活かして元の会社に還元できそうだから」(32%)、「かつての部下や同僚がいて、一緒に働きたいから」(27%)、「家庭の都合などで退職したことに悔いがあるから」(25%)などの回答であった。また、年代別の結果を見ていくと、年代による違いが最も大きかったのは「かつての部下や同僚がいて、一緒に働きたいから」で、20代の39%に対して30代は23%と、16ポイントの差があった。