上位校ほど事前選考での落選経験あり

インターンシップには参加できる学生の定員があり、応募学生がそれを上回れば、選抜のために何らかの事前選考が行われることになります。1Dayタイプで収容人数の多い、あるいは開催回数が多いインターンシップの場合には、セミナーと同様に参加を申し込みの先着順としているケースもありますが、多くのインターンシップでは事前選考を課しています。大学グループ別に見た場合、上位校ほど事前選考を通過する確率が高くなり、落選する学生は少ないだろうと考えがちですが、結果はまったく逆です。例えば、文系の例で見てみると、事前選考で落選して参加できなかったインターンシップの有無を聞いてみたところ、「旧帝大クラス」や「上位国公立大クラス」で77%、「早慶クラス」で72%が「(落選経験が)ある」のに対して、「中堅私大クラス」で55%、「その他私立大」では43%にとどまります[図表5]
第90回 インターンシップで志望度が下がる例も?どうなる2020年卒
これはどういった理由からなのでしょうか。考えられる理由は主に二つ。一つは、応募先企業群の違いです。上位校学生の応募先は大手(競争率が高い)企業の割合が圧倒的に多くなるのに対して、そうでない大学グループ層は大手だけではない(競争率が低い)企業群にも応募していること。そしてもう一つは、上位校学生は複数日程タイプのインターンシップを好む割合が多いのに対して、そうでない大学グループ層は1Dayタイプのインターンシップを好む割合が多いことです(本稿4月分参照)。1Dayタイプの場合には、複数日程タイプと比べて定員が圧倒的に多かったり、開催回数も多かったりしますので、合格率は高くなりがちです。つまり、応募先企業群だけでなく、応募先のインターンシップのタイプ自体にも差があるからなのです。

事前選考に落選することで志望度が下がる学生が3~4割

インターンシップの事前選考に落選した場合、学生の当該企業に対する志望度に変化はあるのでしょうか。落選したことでかえって「(志望度が)上がった」という学生は文系で6%、理系でも3%と極めて少数派です[図表6]。文系で59%、理系で69%と6~7割の学生は定員があることを理解し、「(志望度は)変わらない」としている一方で、文系で36%、理系で28%もの学生が「(志望度が)下がった」としている点は要注意です。
第90回 インターンシップで志望度が下がる例も?どうなる2020年卒
もしかしたら落選したことよりも、落選の連絡方法に問題があったのかもしれません。本番の就職活動が始まってしまえば、当たり前のように送られてくる不合格を伝える「お祈りメール」や、結果の連絡すら来ない「サイレント」の洗礼を受けたのかもしれません。

落選学生へケアのないケースが5割以上

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