売り手市場でも半数以上が就活を不安視

近年、新卒者の採用環境はマスコミ等で「学生の売り手市場」と称されることが多くなっていますが、当事者である学生は自分たちの就職活動をどう思っているのでしょうか。就職活動に対する所感を確認したところ、文系では「楽観している」(9%)が最も少なく、「やや楽観している」(21%)と合わせた“楽観派”は30%であるのに対して、最も多い「やや不安である」(30%)と「不安である」(21%)を合わせた“不安派”は51%と半数を超えています[図表3]。理系では、“楽観派”は37%と文系よりも多いものの、“不安派”は52%と文系と同じく半数を超えています。
[図表3]就職活動に対する所感
“楽観派”の理由(複数回答)では、文系・理系ともに「インターンシップへの参加で有利になっている」がトップで、文系で39%、理系ではさらに多く47%と半数近くに上ります[図表4]。インターンシップへの参加が就職活動に有利に働くと感じており、それが自信につながっていることが分かります。次いで「既に志望する企業から内定(内々定)が出ている」が多く、文系で29%、理系では38%と4割近くになっています。さらに、理系では「志望する企業の選考が順調に進んでいる」も32%となるなど、企業の選考が文系よりも早いペースで進行しており、それが“楽観派”が多いことにつながっていると推測されます。
[図表4]“楽観派”(「楽観している」と「やや楽観している」の合計)の理由(複数回答)
一方、“不安派”の理由(複数回答)では、文系・理系ともに「面接が苦手」が最も多く、それぞれ58%、60%と6割にも達しており、面接への不安が文系・理系共通の重大な懸念事項となっていることがうかがえます[図表5]。次いで、「内定を得られるか不安なので多くの企業にエントリーする必要がある」(文系42%、理系49%)が多くなっています。文系と理系で差異が見られる項目を見ると、「筆記試験が苦手」(文系38%、理系28%)と「エントリーシートが大変そう」(文系26%、理系17%)では文系が約10ポイント上回る一方、「卒業研究が進んでいないので、就職活動との両立が難しい」(文系9%、理系26%)では理系が17ポイントも上回っています。筆記試験やエントリーシートへの不安は文系学生において、研究活動と就職活動の両立に関する不安は理系学生において、より顕著に表れているようです。
[図表5]“不安派”(「やや不安である」と「不安である」の合計)の理由(複数回答)
将来の就業意識について尋ねたところ、「最初の会社で定年まで働きたい」と回答した割合は、文系で36%、理系で38%となっており、4割近くの学生が長期的な安定を志向していることがうかがえます[図表6]。一方で、「3回くらいまでなら転職してもよい」とする学生も同程度おり、文系で35%、理系で40%となっています。「いずれは起業したい」との回答は文系で5%、理系で2%にとどまり、起業志向の学生は少数派であることが分かります。近年の学生の就業意識は多様化しており、“定年まで同じ会社で働く”ことを希望する割合が一定程度ある一方で、転職を前提としたキャリア形成を考えている学生も少なくありません。新卒採用の際に長期的かつ多様なキャリアパスの選択肢を提示するとともに、転職を視野に入れている学生が多いことを踏まえ、社内でのキャリアチェンジやスキルアップの機会を強調することも、採用競争力の強化には重要な点と言えるでしょう。
[図表6]将来の就業意識

多様化する学生の就職サイト利用

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