楽観する理由は「既に内定があるから」
「楽観派」、「不安派」にそれぞれその理由を聞いています。まず「楽観派」の理由で最も多かったのは、文系・理系ともに「志望する企業の選考が順調に進んでいる」で、文系では唯一40%と4割に達し、理系でも33%となっています[図表3]。既に選考が進行していることがうかがえます。次いで、「インターンシップへの参加で有利になっている」、「就職活動への苦手意識がない」がいずれも文系36%、理系33%で続きます。「オンライン就活」を理由に挙げる割合も多くなっていますが、文系では「オンラインでの就職活動が可能となり、効率的に活動できる」(文系36%、理系15%)と効率性を理由としているのに対して、理系では「オンラインでの面接では自宅でリラックスして臨める」(文系8%、理系22%)とオンライン面接を理由とする声が多くなっています。
なお、「既に志望する企業から内定(内々定)が出ている」から、とした学生が文系で20%、理系では30%に及んでいます。就職活動の開始時期だけでなく、選考の進み具合、さらには内定取得時期が早くなっていることと、理系のほうが文系よりも早期に内定を取得している学生が多いことがうかがえます。
「自分のスキルや能力等にニーズがあるか不安である」は、理系では27%と文系に比べて低くなっている一方で、「研究が進んでいないので、就職活動との両立が難しい」は51%と半数の学生が理由としており、13%しかなかった文系に比べて顕著に高くなっています。身に付けた専門性が業務に直結しやすい理系では、スキル・能力へのニーズの不安はやや少ない一方で、研究との両立という点が大きな不安要素となっていることが分かります。
2022年12月に実施した前回調査と比較すると、前回最多だった「就職ナビ」が4ポイント減少し、逆に「企業のホームページ」が8ポイント増加したことで、トップの項目が入れ替わっています。「企業情報が掲載された書籍」(9%)、「新聞・雑誌」(8%)といった紙メディアは、前回同様、低い割合にとどまっており、情報収集はもっぱらネットに依存している傾向は、もはや変わることはなさそうです。