インターンシップを採用選考に活用する大企業が急増

インターンシップと採用選考をどう結びつけているのかを確認した結果が[図表3]です。「選考と結びつける」と回答したのは、大企業が46%、中堅企業が37%、中小企業が39%となっており、大企業が中堅企業・中止企業を上回ります。「選考とは結びつけないが、優秀な学生においては考慮する」の割合も、大企業が38%で他の規模よりも多く、両者を合計した「何らか選考と関係する」(以下同じ)の割合は、大企業では85%にも及び、中堅・中小企業とは15~20%の開きがあります。大企業のほうがインターンシップを選考に活用していることが分かります。もっとも、中堅・中小企業が実施しているセミナー・会社説明会に近い内容では、参加した学生が優秀かどうかを評価できるだけの材料が得られていないからとも考えられます。
図表3 インターンシップと選考との関係
こちらに面白いデータがあります[図表4]。大企業におけるインターンシップと選考の関係を経年比較してみたところ、今回の2025年卒採用では85%にも達している「何らか選考と関係する」の割合は、コロナ禍真っ最中の2022年卒採用の調査では69%、コロナ禍前の2019年卒採用の調査では56%となっており、大企業ではインターンシップを選考に活用する割合が年々高まっていることが分かります。特に「選考と結びつける」と回答した割合は、2019年卒採用の22%から、コロナ禍以降は選考時期の早期化に合わせるように46%に跳ね上がっています。
図表4 大企業におけるインターンシップと選考との関係(経年比較)
次に、「選考と結びつける」と「選考とは結びつけないが、優秀な学生においては考慮する」と回答した企業だけを対象に、対面形式とオンライン形式で学生の見極めやすさに違いはあるのかを聞いてみました[図表5]。その結果、全体では「対面形式のほうが見極めやすい」が75%と4分の3を占め、残り25%は「同程度である」と回答し、「オンライン形式のほうが見極めやすい」はゼロでした。以前、面接についても対面形式とオンライン形式の違いを聞いたことがありましたが、その際には面接相手の服装や体つき、身振り手振りといった非言語情報に惑わされることなく、言語情報(発言内容)に集中でき、オンライン形式ならではのメリットを挙げる声もありましたが、インターンシップは少し違うようです。従業員規模別に見ると、「対面形式のほうが見極めやすい」の割合は、大企業では58%、中堅企業では81%、中小企業に至っては100%と、規模が小さくなるほど対面形式を推す声が多くなっています。
図表5 インターンシップの実施形式による学生の見極めやすさ
では、学生をより見極めやすいとされる対面形式でのインターンシップは増えているのでしょうか。対面形式でのインターンシップの実施割合を前年と比較してもらったところ、企業規模にかかわらず、7割前後の企業が「変わらない」と回答したものの、2~3割程度の企業が「増加している」と回答し、「減少している」との回答は中小企業の一部で見られただけでした[図表6]。インターンシップの対面回帰は着実に進行しているようです。
図表6 対面形式のインターンシップ実施割合の前年比較

解禁半年前にピークを迎える大企業のセミナー・説明会

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