クチコミ就職サイトが堅調

1年を通じて最も活用された就職サイトを見てみると、1位の「マイナビ」は文系でもついに49%と50%を割る結果となりました[図表3]。理系は2023年卒よりも若干利用率を盛り返しましたが、それでも43%と4割台前半にとどまります。2位の「ONE CAREER」は文系・理系ともに利用率を伸ばしており、前回からさらに利用率を下げた3位の「リクナビ」との差は開くばかりです。ついに「リクナビ」は、文系・理系ともに1桁台にまで利用率を下げ、かつて「リクナビ」が「マイナビ」を押さえて利用率1位に君臨していた時代がはるか昔のことのように感じられてしまいます。
図表3 就活を通して最も活用した就活サイトの2年比較(単一回答)
従来型の就職ナビが利用率を下げる中、利用率を伸ばすか維持しているのは、前述の「ONE CAREER」をはじめ、「就活会議」「OpenWork」などのクチコミ就職サイトです。ただし、クチコミ就職サイトの先駆けである「楽天みん就」だけは利用率を下げています。新興のクチコミ就職サイトは、過去に合格したエントリーシートを公開するなど、企業ごとの選考情報(体験談)が非常に充実しており、投稿者が就活生だけでなく、社員や元社員などの社会人も含まれ、入社後の会社の情報まで確認できる点が評価されているようです。

これらのクチコミ就職サイトを利用している学生のコメントを、一部抜粋して紹介します。

【ONE CAREER】
・面接における質問内容、面接官の人数、所要時間、フローなど、「実戦」の場で参考になる内容が最も細かく掲載されている(文系・早慶大クラス)
・過去のエントリーシートや面接の質問について事前に把握するために重宝した(文系・早慶大クラス)
・エントリーシートや面接、インターンシップの内容など、選考対策や企業理解に役立つ情報が最も多かった(文系・上位私立大)
・申し込みからエントリーシートの作成まで幅広く使用できたため。また、他のサイトに比べてバグが少なくストレスフリーだった(文系・上位私立大)
・アプリがあるため見やすく、面接の過去問など流れを知ることができ、エージェントへの勧誘などがない(文系・中堅私立大)
・情報に余計なバイアスがかけられていないのでフラットな視点で情報を得ることができる(理系・旧帝大クラス)
・先輩の体験談が多く、詳細が載っており、信頼できる(理系・早慶大クラス)

【就活会議】
・内定者のエントリーシートが見られる。また、インターンシップ情報や面接の質問内容も見られる(文系・上位私立大)
・大学のランクごとに○次面接通過率や内定率などが詳しく見られ、就活中の学生や昨年の就活生のクチコミも閲覧可能だったため、一番役に立った(理系・その他私立大)
・「転職会議」というサイトも運営しており、そちらで社員のクチコミも見ることができ、自分と会社のマッチ度も知ることができる。「転職会議」は有料だったが、周りの学生と差をつけるために有利な情報が得られた。実際に、クチコミの情報を元に入社後の自分をイメージし、面接でアピールすることができ、内定後のフィードバックでは管理職や社長からの評価も非常に高かった(理系・その他私立大)
・就活速報が多く投稿されるため、面接対策の参考になった(理系・その他国公立大)

【OpenWork】
・社員の本音が書かれているため(文系・上位私立大)
・企業のクチコミで企業研究や逆質問を考えることに役立った(文系・旧帝大クラス)
・働いている人のリアルな声が聞けること、また、クチコミ数が多い(文系・その他国公立大)
・実際に働いていた人たちの声が聞けるツールは他にあまりなかったため(文系・中堅私立大)

「21社以上」からアプローチを受ける割合が最多

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