インターンシップは再び夏期・春期休暇に集中
ここからは、2025年卒採用に向けたインターンシップの動向を見ていきます。まずは、「インターンシップの実施予定」を聞いたところ、全体では「未定」とする企業が35%あるものの、「実施する」(「前年は実施していないが、今年は実施する」と「前年同様に実施する」の合計、以下同じ)は42%と4割を超え、「実施しない」(「前年は実施したが、今年は実施しない」と「前年同様に実施しない」の合計、以下同じ)の24%を大きく上回ります[図表3]。次に、「インターンシップの実施時期」を前年同時期に実施した2024年卒向けの調査結果と比較したものが[図表4]です。「3年生6月以前」から「3年生9月」といった早期は、軒並み2025年卒向けインターンシップを開催する企業の割合のほうが高くなっており、「3年生11月」と「3年生12月」は一転して、2025年卒向けのほうが低くなっています。2024年卒採用では大きく減少した「3年生2月」ですが、再び盛り返しを見せています。ただし、かつてのようにピークである「3年生8月」(62%)と肩を並べるほどではなく、その半分程度に過ぎません。
※タイプ3・汎用的能力活用型:5日間以上、専門能力活用型:2週間以上
冬期休暇は年末年始を挟むため、実質的には要件を満たすインターンシップの実施は困難であり、結果的に夏期休暇と春期休暇に集中することになります。それが8~9月と2~3月の実施割合の増加につながっているものと推測されます。
「産学協働による自律的キャリア形成の推進」は機能するのか
今度は、「インターンシップの日数タイプ」を前年調査と比較してみましょう。「半日程度」と「1カ月以上」は前年と同程度の割合ですが、残りすべての日数タイプで今回調査のほうの割合が高くなっています[図表5]。大企業に注目して、その他のタイプも確認してみると、「半日程度」と「1カ月以上」はほぼ前年と変わらず、「1日程度」が52%→22%へと大幅に減少し、その分、「2~3日程度」24%→30%、「2週間程度」14%→17%、「3週間~1カ月程度」0%→7%へといずれも増加しています。1Dayから複数日程タイプへのシフトが進んでいる様子がうかがえます。
次に、「1週間程度」を選択した企業を対象に、「産学協働による自律的キャリア形成の推進」の要件を満たすタイプ3のインターンシップを実施する予定かを確認したところ、全体では「検討中」が43%で最多で、次いで「計画していない」32%、「計画している」は25%で割合としては最も低くなったものの、4社に1社は「計画している」ことが分かります[図表6]。前項までに推察していたように、インターンシップを取り巻く今年の変化には、「産学協働による自律的キャリア形成の推進」への対応が大きく影響しているようです。
これまでも、実際には多くの企業がインターンシップを採用手法の一つとして活用してきており、果たして「産学協働による自律的キャリア形成の推進」の要件を満たすことによる“お墨付き”に対して、企業がどこまでこの新しい仕組みを活用するのかと懐疑的になっていた面もありますが、意外にも変化が表れてきているようです。