さらなる売り手市場は必至
さて、ここからは2024年卒採用の状況を見ていきます。まずは、「2024年卒の採用計画数の前年比較」です。全体では、「前年並み」が40%で最も多く、「未定」と「採用なし」を合わせると33%あるものの、「増やす」24%に対して「減らす」はわずか3%にとどまり、「増やす」とする企業が20ポイント以上も上回ります[図表3]。
前年同時期に実施した「2023年新卒採用動向調査」の結果を見ると、「増やす」と回答した割合は、中堅企業の27%と中小企業の13%は今回調査と数ポイントの違いでしかありませんが、大企業が14%にとどまっていたことを考えると、2024年卒採用で「増やす」と回答した割合は実に2.5倍にも達します。
2023年卒採用の大卒求人倍率は、前記のとおり前年比で0.08ポイントアップでしたが、2024年卒採用の求人倍率は前回以上のアップ率になることは間違いないでしょう。2023年卒採用で苦戦を強いられた企業にとっては、さらに厳しい年になりそうです。
採用計画数をアップする企業が多くなっていますが、新卒採用活動に投じる採用予算に変化はあるのでしょうか。「2024年新卒採用活動予算の前年比較」を聞いてみたところ、全体では「ほぼ変わらない」が70%で最多となっており、「かなり増える見込み(20%以上)」と「やや増える見込み(20%未満)」を合わせた「予算増額派」(以下同じ)は26%、「かなり減る見込み(20%以上)」と「やや減る見込み(20%未満)」を合わせた「予算減額派」(以下同じ)は4%にとどまります[図表4]。