大学クラスが高いほどHP閲覧社数が伸びる

次に「閲覧した採用ホームページの社数」について見てみましょう。文系全体では、「10~14社」が最も多く21%、次いで「15~19社」と「20~24社」がともに15%、などとなっており、「10社」以上を閲覧した割合は8割以上を占めます[図表4]
第126回 コロナ禍での2022卒学生の就職活動を振り返る――プレエントリーから面接までのステップにおけるトピックスとは
大学区分別に見ると、大学クラスが高いほど閲覧社数が多い傾向が見られ、早慶クラスでは「10社」以上が90%である一方、「その他私立大学」では71%と19ポイントの差異があります。また、早慶クラスでは「40社以上」の割合が18%と、2割近くもあります。

理系全体で最も多いのは「5~9社」で23%、次いで「10~14社」が22%などで、「10社」以上を閲覧した割合は65%となっています[図表5]
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文系全体と比較すると、「10社」以上を閲覧した割合は文系より16ポイントも低く、採用ホームページの閲覧社数は文系より全体的に少ない傾向が見られます。ただし、大学クラスが高いほど閲覧社数が多い傾向については文系と同様で、旧帝大クラスと早慶クラスでは「10社」以上がともに76%である一方、「その他私立大学」では48%と半数に満たず、28ポイントもの大きな差異があります。

このように、大学クラスが高い学生を中心に個別企業の採用ホームページ情報を重視する傾向があることを踏まえると、企業は自社の採用ホームページの充実を強化する必要性が高まっているといえるでしょう。対面型のセミナー・説明会やOB/OG懇談会、研究所・工場見学等の開催が依然として困難な状況下では、これらを補てんするようなコンテンツの工夫が求められています。

オンデマンド配信よりもライブ配信が人気

次に、企業が個別に実施するセミナーや企業説明会への参加社数を見てみると、文系では「10~14社」が最も多く19%、次いで「15~19社」と「30社以上」がともに13%などとなっており、「10社」以上の割合は63%と6割を超えています[図表6]
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一方、理系では「4~6社」が最も多く20%、次いで「1~3社」と「10~14社」がともに18%などとなっており、「10社」以上の割合は40%で、文系よりは明らかに参加社数が少ない傾向にあります。「30社以上」に至ってはわずか5%にとどまり、文系(13%)と比べると2分の1以下になっています。

企業が実施するセミナーや会社説明会は、今年もオンラインが主流となっています。そこで、オンラインセミナーの二つの配信方式(ライブ配信・オンデマンド配信)のどちらが望ましいかを聞いてみた結果が[図表7]です。文系・理系での差異はそれほど大きくなく、それぞれ52%、56%と半数以上の学生が「ライブ配信」を支持し、「オンデマンド(録画)配信」は31%、25%にとどまりました。それぞれを選択した理由も紹介します。
第126回 コロナ禍での2022卒学生の就職活動を振り返る――プレエントリーから面接までのステップにおけるトピックスとは
【ライブ配信】
・双方向のやりとりができるため(理系・その他国公立大)
・録画だと後で見ようという気持ちになって見ないことがある(理系・旧帝大クラス)
・リアル感があって、会社のことが伝わりやすい(文系・中堅私立大)
・質疑応答など、リアルタイムで反応が返ってくるため(理系・上位国公立大)
・質問対応やオーディエンスに合わせた進行の変化など双方向性があるため(理系・旧帝大クラス)
・録画だと形式的で内容が伝わってこない(文系・中堅私立大)
・録画したものだとライブ感がなく、まるでユーチューブでも見るようで頭に入りづらかった(理系・その他国公立大)
・背筋が伸びるし、その場で質問を消化できる(文系・上位私立大)
・採用担当者の熱意が伝わる(文系・その他私立大)
・そのときしか聞けないため、より集中しようと思えるから(文系・上位私立大)
・自分で参加者を確認できるため、その会社に興味を持っている人の大学のレベルや人数を把握できた(理系・その他国公立大)

【オンデマンド(録画)配信】
・通信環境のトラブルが起こりセミナー等の内容が妨げられることがないから(文系・早慶大クラス)
・自分の予定に合わせていつでも見ることができる。速度を変更できるため、時間を有意義に使うことができる(理系・上位国公立大)
・自分の好きな時間に、服装やメイク関係なくリラックスして聴けるから(文系・その他私立大)
・スライドをじっくり見ることができる、見返すことができる(文系・その他私立大)
・ライブでも質問が届きにくいことに変わりはないので、概要を知るという意味ではオンデマンドのほうが効率いいと思った(文系・旧帝大クラス)
・説明会が重なってしまって参加できなかったということがないから(文系・中堅私立大)
・リアルタイムだとメモを取る時間が限られるが、録画形式なら必要な情報を何度も確認でき、メモを取れるため(理系・その他国公立大)

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