理系のセミナー参加ペースは文系を大きく上回る
次に、セミナーや会社説明会に参加したことのある学生を対象に、そのうちオンライン型のプログラムで参加した社数を聞いてみたところ、「0社」(対面型のみに参加)との回答はごくわずかで、文系1%、理系2%に過ぎません[図表3]。従来の対面型のセミナー・説明会にしか参加したことのない学生はほぼいないことが分かります。セミナー等に初めて参加した時期を見てみると、文系で最も多いのは「2021年2月」の18%、次いで「同3月」(16%)となっています[図表4]。これに対して理系では、「2020年7月」が僅差とはいえ14%でトップ、次いで「同8月」と「同12月」が13%、「同6月以前」と「2021年2月」が12%で続きます。
勤務時間や休日に関心が強い学生たち
セミナーや説明会でのプログラム内容として、あるいは採用ホームページでの掲載情報として、なくてはならない情報が「社員の実際の働き方」です。その関心度と、知りたい具体的な内容について聞いてみた結果を紹介します。まず、関心度については、文系の92%が「関心がある」(「非常に関心がある」と「やや関心がある」の合計、以下同じ)と回答し、「関心がない」(「全く関心がない」と「あまり関心がない」の合計、以下同じ)と回答した学生はわずか4%です[図表5]。理系に至っては「関心がある」は97%に達し、「関心がない」はほぼ皆無(0.4%)となっています。学生が入社後の自分をイメージするためにも、現社員の実際の働き方に関心があるのは当然のことですが、ここまで関心が高いとは驚きます。
・実際に月に何時間の残業があるのか、多い人と少ない人での比較。風邪や身内絡みでの緊急性が伴う休暇取得状況。副業ができるかどうか(文系・上位国公立大)
・何のために社員一人ひとりが働いているのか、という目的意識の徹底がなされているのか(文系・上位国公立大)
・働いてみてやりがいを感じるかどうか、そのやりがいにより厳しい勤務状況であっても進んで仕事に向かえているかどうか(文系・早慶大クラス)
・実際にどれぐらいの時間働いているのか、業務においてどのようなスキルが身に付くのか、プロジェクトの進め方がどのようになっているのか(文系・早慶大クラス)
・主にメンタル面について、その仕事にやりがいを持って働いているか、やりがいはなくてもワーク・ライフ・バランスや福利厚生が充実していて、精神的に負荷がかかりすぎていない状態で働けているか(文系・早慶大クラス)
・プライベートとの両立の仕方(ワーク・ライフ・バランス)、リモートワークがどれほど推奨されているのか、チームで働く機会の多さについてなど(文系・早慶大クラス)
・部活などへの参加、自己啓発や自発的な学習の実施状況(文系・早慶大クラス)
・実際に何時間平均して働いているのか、社風(上からの指示は絶対か、ノルマへのプレッシャーはあるか、風通しの良さ) (文系・旧帝大クラス)
・1日のスケジュールや、仕事でない日にどれぐらい充実した生活を送っているのか(休日に仕事をしなくていいのか) (文系・上位私立大)
・結婚、出産経験のある女性のキャリアプラン(文系・その他私立大)
・どのようなタイムスケジュールで毎日働いているのか関心がある。閑散期、繁忙期ともにどのぐらいの時間働いているのか、何時に退社しているのか(理系・旧帝大クラス)
・能力に見合った給与面での評価について(理系・旧帝大クラス)
・フレックスの活用度合い、テレワークの普及率、男性の育休取得率(理系・旧帝大クラス)
・家庭と両立して働くことができるのか、コロナ渦でどのような対策を取ったのか(理系・旧帝大クラス)
・意見を上司に言いやすいかどうか(理系・早慶大クラス)
・キャリアの歩み方、実際の業務内容、オンライン化した場合のコミュニケーション(理系・早慶大クラス)
・うわべだけでない、本当の働き方を知りたい。離職率や有給取得率、年間休日等を実態とかけ離れた数字を公表している会社は社会的制裁を受けるべき(理系・その他国公立大)
・生き生きと働けているか、企業に対して解消しない不満はないか(理系・その他国公立大)
・採用情報とのギャップがどれほどあるのか、確かめたい(理系・中堅私立大)