ProFuture代表の寺澤です。
6月を迎え、2022年卒学生を対象とした採用・就活ルール上の面接選考が解禁となると同時に、2023年卒学生向けの就職ナビ上でのインターンシップへのエントリー受付も開始されました。かつては、就職ナビのオープン自体が6月1日でしたが、近年は5月中にいち早くオープンし、インターンシップ情報の閲覧ができるとともに、気になるインターンシップへのエントリー予約ができるようになっています。翌年3月1日の正式オープン時もそうですが、それぞれの解禁日は「情報公開解禁日」から「企業への学生エントリーデータ送信解禁日」へと意味合いが変わってきたようです。
第123回 マーケティングを意識したインターンシップの設計が求められる時代
2023年卒向けの就職ナビに掲載されているインターンシップ情報を少し確認してみましょう。6月6日現在、「マイナビ2023」にインターンシップ・仕事体験情報を掲載している企業数は6641社。「1日」タイプのワンデー仕事体験情報を掲載している企業が5404社で全体の81%と8割を超えている一方、「2~3日」タイプのインターンシップ情報は1693社(25%)、「1週間以上」タイプのインターンシップ情報に至っては969社(15%)と少数派です。「1日」タイプはもはや「インターンシップ」とは呼ばず、「ワンデー仕事体験」と区別するようになり、早期の就職ナビは、インターンシップ情報サイトと位置づけられていますが、実態は「ワンデー仕事体験情報サイト」と呼んだほうがよいくらいですね。

コロナ禍の中で、昨年は開催形態が対面型ではなく、オンライン型が主流になっていましたが、今年は再び対面型も復活しているようです。開催方法を「WEB」としてプログラムを展開する企業は3039社と全体の5割以下となっている一方、具体的な開催地を指定しての対面型プログラムを展開する企業は5033社と76%にも及びます。会場コストがかからず、運営の手間も大幅に削減できるほか、地方学生が参加しやすくなるなど、メリットの多いオンライン型ではあるものの、できることには制約があり、企業と学生の結び付きも弱いため、対面型への揺り戻しが起きていると言ってもいいのかもしれません。

進捗は、新型コロナ前の2020年卒採用に近い

さて、今回も前回に引き続き、2022年卒業予定の「楽天みん就」会員学生を対象にして3月に実施した「2022年卒学生の就職活動動向調査」の結果について紹介していきたいと思います。

まずは、個別企業が開催するセミナーや会社説明会への参加社数です。なお、昨年(2021年卒)のデータは、突如として広まった新型コロナ感染症に対して、オンライン化への対応をうまくできないことなどを理由に、セミナーや説明会を中止や延期した企業も数多くあったことから、比較対象としては不適かと思われるため、コロナ禍前の2020年卒のデータまでを含めた3年比較で見ていきましょう。

[図表1]は文系、[図表2]は理系について、過去3年間の同時期調査の結果を比較したものです。両方のグラフの形を見ると分かるように、2022年卒は文系・理系のいずれにおいても、明らかに2021年卒よりも2020年卒の結果に近くなっています。
第123回 マーケティングを意識したインターンシップの設計が求められる時代
文系では、「4~5社」だけ3年間ほぼ同程度の割合ですが、「0社」~「3社」はいずれも2021年卒が最も多く、2020年卒と2022年卒は同程度、逆に「6~11社」~「21社以上」は2021年卒が最も少なくなっています。理系でも文系とほぼ同様な傾向が見て取れます。

2021年卒では、企業のセミナーや説明会が中止・延期となった影響を受けて、3月の調査段階で6社以上に参加できた学生の割合が落ち込みましたが、2022年卒は2年前の水準に戻った、いや、オンライン説明会増加の恩恵を受けて、これまで以上に説明会に参加しやすい環境になったことから、「21社以上」など多くの企業の説明会に既に参加した学生の割合が増えています。

ちなみに、昨年同時期対比では、6社以上の説明会に参加した学生の割合(「6~11社」~「21社以上」の合計)は、文系:27%→51%、理系:18%→42%へと大幅に伸びています。面接社数、内々定社数など、この後のステップについても見ていきますが、データは昨年(2021卒)対比ではなく、一昨年(2020卒)対比でも見ていったほうがよさそうです。

理系のセミナー参加ペースは文系を大きく上回る

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