事前選考で「適性検査」実施企業が大きく伸びる
インターンシップでは、参加したい学生を上限なしで受け入れるわけにはいかず、結果的に何らかの事前選考を行うことが普通です。中には、申し込みの先着順で定員に達した時点で締め切る企業もあるようですが、多くは申込締切日を設定して、その日までに応募があった学生を対象に事前選考によって絞り込みを行います。事前選考の方法を複数選択で回答してもらったのが[図表3]です。「事前選考はなかった」と回答した学生は、文系で10%、理系で8%にとどまります。残りの9割以上の学生は、インターンシップに参加するために事前選考を受けた経験があります。インターンシップ参加時期にも変化が
次に、インターンシップに参加した時期[図表4]と、今後参加予定のインターンシップの時期[図表5]をまとめて見てみましょう。参加した時期では「8月」が最多で、文系では70%、理系でも58%に上っています。次いで多いのは「9月」(文系61%、理系54%)と、これまで同様、サマーインターンシップに当たるこの2カ月がピークとなっています。昨年3月の調査では、前半のピークの「8月」ですら文系・理系ともに5割を切っていましたが、昨年の回答者には就職活動を遅く開始した学生が含まれていることを考えると、一概には比較できません。ただ、昨年の調査で年間のピークとなった「2月」ですら、文系で57%、理系で53%であったことを考えると、今年の学生の参加率はやはり急伸していると考えてもよいでしょう。
もう一つ注目すべきは、ピークである「8月」「9月」とその他の月との開きの変化です。昨年3月の調査では、「10月」は文系で22%、理系では16%に、「11月」も文系で28%、理系でも25%と2割台に落ち込んでいましたが、今回の調査では「10月」は文系で48%、理系で37%、「11月」は文系・理系ともに47%と5割近く、さらに今後も「11月」に参加予定があるという学生が文系で31%、理系でも20%もいます[図表5]。調査時期が11月20~30日だったことを考えると、11月21~30日までの期間だけでの参加予定でこの数字というのは驚きです。
さらに驚くべきは、「12月」の参加予定です。文系で69%、理系でも62%と、6~7割の学生が「12月」に参加予定があるとしているのです。調査時点では、「1月」「2月」開催分の事前選考結果が出ていないケースも多く、逆に「1月」「2月」のほうが「12月」を下回っていますが、例年の傾向から実際には「1月」「2月」の参加率が「12月」を上回ることは確実でしょう。もはや、セミナー・会社説明会のピーク時期よりも高い参加率を記録することになるのではないかと推測されます。
サマーインターンシップから「1Day」が席巻
これまでに参加したインターンシップのタイプを回答してもらったところ(複数回答)、最多は「1日」タイプで、文系の73%、理系の74%が参加しています[図表6]。2位には「2~3日」タイプ(文系57%、理系39%)が入りましたが、3位の「半日」タイプ(文系47%、理系34%)も併せて考えれば、「1Day(1日・半日)」タイプのインターンシップ参加者割合は、文系で84%、理系でも77%に上ります。「1Day(1日・半日)」タイプのインターンシップがいかに多かったのか、またそれに参加した学生がいかに多かったのかが分かります。なお、昨年の調査では、「2月」「3月」に参加したインターンシップのタイプは、「1日」タイプが文系で77%。理系でも72%を占めていましたが、この勢いで行くと今年は「1日」タイプの参加者がさらに増えることが予想されます。