2018年卒向けのインターンシップを振り返る

さて、ここからは前回に続き、HR総研が楽天「みんなの就職活動日記」会員を対象に実施した「2018年就職活動動向調査」の結果を紹介します。今回のテーマは、経団連の指針の手引き改定でも取り上げました「インターンシップ」です。
まずは、インターンシップの参加状況(参加社数)からです[図表1]。インターンシップにまったく参加していない学生は文系・理系ともに23%に過ぎず、逆に言えば4分の3以上の学生は何らかのインターンシップに参加しているということです。参加社数を見ても「1社」だけという学生は2割もおらず、6割前後の学生は複数のインターンシップに参加しています。中には「7社以上」という学生が、文系で12%、理系でも8%もいます。
第74回 2018年卒向けのインターンシップを振り返る
学生が参加しやすい「1Dayインターンシップ」が数多く開催されたことが影響していますが、こうなると企業側はこれまで以上にプログラムの充実と他社との差別化を図っていく必要がありそうです。セミナーや会社説明会とさほど違わない「1Dayインターンシップ」では、学生の理解促進、興味喚起につなげることは難しいでしょう。

インターンシップ情報の入手ルートは就職ナビ

学生はインターンシップ情報をどこから入手しているのかを聞いたのが[図表2]です。インターンシップ情報の入手先トップは「就職ナビ」が断トツで、文理ともに7割以上の学生が利用しています。2位の「企業のホームページ」は3割以下ですので、倍以上の開きがあります。
第74回 2018年卒向けのインターンシップを振り返る
目当ての企業が決まっているのであれば「企業のホームページ」から探すことも可能ですが、応募先を探すところから始めるのであれば、いまや数千社のインターンシップ情報が掲載され、応募までできるとなれば「就職ナビ」を利用するのは当然のことでしょう。企業側からしても、6月1日からオープンする就職ナビプレサイトは、情報掲載料金が無料(3月1日以降の本掲載料金にセット)であることが多く、利用しない手はないでしょう。「就職ナビ」でインターンシップ情報の掲載だけでなく、エントリー受付まで受け付けられるようにしておき、自社のホームページからは「就職ナビ」の自社情報掲載ページにリンクを張るようにしておけば、情報更新が二度手間になることもなく、エントリー者の情報も一元管理が可能になります。
また、文系の3位にランクしている「キャリアセンター」を活用しない手はありません。最近では、大学経由のインターンシップに限らず、自由応募型のインターンシップについても掲示をしてくれる大学が増えています。かつては、経団連が「倫理憲章」や「指針」の手引きで規定していた「5日間以上」のプログラムしか掲示しないという大学も少なからずありましたが、今回の手引きの改定もあり、プログラム内容についてはあまりハードルを設けず、柔軟に対応してくれる大学が多くなっています。募集要項のフォーマットについても、自由応募型については特に決まりはないことが多くなっています。
また、理系学生の応募を集めたいのであれば、「キャリアセンター」よりもむしろ「研究室」経由での募集も効果的なようです。

6割近くが「2月」のインターンシップに参加

この記事にリアクションをお願いします!