8割以上の企業が5月末までに面接選考開始

 企業の採用意欲は今年も依然として高止まりしており、昨年、「採用選考解禁 6月」の新指針を順守した企業、あるいは6月以前に選考は開始したものの他社に後れを取ったと感じている企業は、前回よりも前倒しでの活動を予定していると言われています。実際には、他社の採用活動をにらみながらスケジュールの微調整も発生していくことになると思いますが、面接選考の開始タイミングと内定出しの開始タイミングについて、企業はどんなスケジュールを想定しているのでしょうか。
 まずは面接選考開始時期から見てみましょう[図表2]。2017年卒採用の実績との比較で見てみると、大きく異なるのは「4月」が2017年卒:24%→2018年卒:35%と10ポイント以上も伸びているのに対して、本来の面接選考解禁の「6月」は2017年卒:15%→2018年卒:7%へと半分以下に減少しています。「6月」に選考開始だった企業がいきなり「4月」まで前倒しする例はそれほど多くないと思われますので、実際には「5月」に開始していた企業が「4月」へ、「6月」に開始していた企業が「5月」へと前倒しする例が多いものと思われます。
第72回 ついに、2018年新卒採用の広報解禁
 選考解禁日を待たずに面接を開始することを計画している企業群は合計で82%と、実に8割を超える状況です。「7月」以降とする企業は今年も1割程度あり、大企業が落ち着いた後に選考を実施することで、後から内定者を奪われることを避けたいと考える企業群です。これらの企業群が「6月」以前に前倒しすることは考えづらいですが、「6月」としている企業が、周りの状況次第では「5月」から面接選考を開始することは十分に考えられます。さらに多くの企業が5月末までに選考を開始する可能性があるということです。

解禁前に内定を出し始める企業は7割を超えることも

 次に内定出しの開始時期について見てみましょう[図表3]。内定出しのタイミングは、面接選考をいつ開始するかとリンクしてきますので、「6月」とする企業が昨年の29%から8ポイントも減少しています。「5月」とする企業の割合はそんなに変化はなく、「4月」が20%と昨年よりも5ポイント伸び、「1~2月」「3月」も各2ポイントずつ伸びています。面接開始時期と同様に、昨年の内定出しが「6月」だった企業が「5月」へ、「5月」だった企業が「4月」へ、「4月」だった企業が「3月」へと少しずつシフトしているのが分かります。4月末までに内定を出し始める企業が全体の3分の1を占め、5月末までに内定を出し始める企業は合わせて6割を超える見込みです。
第72回 ついに、2018年新卒採用の広報解禁
 内定出しについても、他社の動向次第では予定よりも前倒しにすることは十分考えられます。「6月」を予定している企業の一部が「5月」に内定を出し始める事態になれば、7割以上の企業が選考解禁前に早々と内定出しを行うことになります。昨年は5月末までに内定を出し始めた企業は55%でしたので、大きく前倒しが起こる可能性があるということです。

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