サムトータル・システムズ株式会社
セールス・ディレクター
大友伸介氏
エンジニアとしてキャリアをスタートするが、様々な教育現場に携わる中で個々の人材と組織の関連性に興味を抱き、2011年にサムトータル社に入社。企業だけでなく学校の教育現場等に赴くなどをしながら国内外の人材教育についても学び続けている。現在は、人材の育成・管理のコンサルタントとしてタレントマネジメント製品に関わっている。
サムトータル・システムズ株式会社 セールス・ディレクター 大友伸介氏
スマホと新しいITインフラで育った世代が求めるシステムを実現するためには、ビッグデータ化と使いやすさが不可欠な要素となる。これらを土台とした、新しい人材育成システムにより、みんなが気持ちよく働ける職場作りをサポートし、「自分自身で進化する組織」を作り上げる新しいシステムを解説する。
最初にモバイルの普及とコミュニケーション・ツールの歴史を振り返ってみたいと思います。みなさんはポケベルを覚えておられますか?
簡単なメッセージを表示するツールです。登場したのは1990年代で、中学生だった僕も使っていました。固定電話が主流だった時代に、画期的なモバイル情報ツールとして使われました。
それから携帯電話やPHSが普及していきます。2000年代に入ると、若年層のWeb/ITリテラシーが変化し、チャットや電子メールが一般化しました。
とくにこの約10年の変化は激しく、様々なツールが登場しました。LinkedIn、 Facebook,、Twitter、LINEなどのSNSが普及し、YouTube、ニコニコ動画、Vimeoなどに誰でも動画を発信できます。Skype、FaceTimeなどで安価なネット通話やビデオ通話も可能です。Web会議も普及しました。
多くの人はスマホによってこれらのツールを使っているのですが、考えてみるとスマホが登場してから、まだ10年経っていないのです。iPhoneがアメリカで発売されたのは2007年、日本でiPhoneGが販売されたのが2008年、私がiPhone3GSを買ったのは2009年。それ以降に使い始めた人も多いはずで、ほんの少し前のことです。しかし今スマホはなくてはならないツールになっています。
モバイルの普及がコミュニケーションを変えたのです。
さて次にサムトータル・システムズについて紹介させていただきます。サムトータルはeラーニングで世界トップシェアを持ち、先進のタレントマネジメントを提供する世界一の統合人事ソリューションベンダーです。約30年の実績を持ち、6700社強の顧客を持ち、フォーチュン500企業の65%強が利用しています。160ヶ国、29ヶ国語に対応し、従業員数2500名、事業拠点は16ヶ国です。
歴史は1984年に遡ります。この年にMicrosoft社共同創立者だったポール・アレン氏が設立した会社がサムトータルの始まりです。ちなみにポール・アレン氏は、2015年3月に戦艦武蔵を発見したことで話題になりました。
日本への進出は2001年です。日本法人の名前はサムトータル・システムズですが、アメリカ本社は2014年にSkillSoft社とSumTotal Systems社が合併し、社名はSkillSoft社になっています。
この10年間に社会は大きく変わってきました。組織の成功のために必要な戦略も変化します。成功のための最重要な戦略と問われれば、多くの人は「事業戦略」だと考えるでしょう。しかしBrandon Hall Groupの調査によれば、30%の企業がもっとも必要なのは「人事戦略」だと回答し、「事業戦略」は20%に過ぎません。
その人事戦略の中でも最大の課題は「忠誠心と団結力」で、87%の経営陣は、従業員が企業カルチャーをいかに受け入れるかを最大の課題として認識しています。続いて多いのは「従業員の問題解決力の向上」であり、64%のCEOが、スキルの高い従業員の育成を優先課題として上げています。
人事戦略を考える前提として人口動態があります。日本では人口の減少が始まっており、2100年の総人口は5000万人と推計されています。これは明治末の人口規模です。
総人口が減ると同時に、日本の生産年齢人口(15歳から64歳)の割合は、2060年頃まで低下し、50%台になります。もっとも生産年齢人口の減少は日本だけの現象ではなく、世界的な傾向です。日本だけでなく世界的に労働力の確保が難しくなるのです。
グローバル経済は今後も拡大し続けるでしょうが、人材は不足します。マッキンゼーは、2020年に組織を成功に導く人材がグローバルで8500万人も不足すると予測しています。
エンジニアとしてキャリアをスタートするが、様々な教育現場に携わる中で個々の人材と組織の関連性に興味を抱き、2011年にサムトータル社に入社。企業だけでなく学校の教育現場等に赴くなどをしながら国内外の人材教育についても学び続けている。現在は、人材の育成・管理のコンサルタントとしてタレントマネジメント製品に関わっている。