サムトータル・システムズ株式会社
代表取締役社長
平野正信氏
IBMの開発エンジニア、日経マグロウヒル社(現日経BP社)記者、ハイペリオン日本法人代表、レッドハット・アジア担当VPなどを経て現在に至る。記者としての人脈、ソフトウエア全般、会計、人事などのITソリューションなどの豊富な経験を生かし、業界のビジョナリーとして活躍。明快な説明に定評がある。
サムトータル・システムズ株式会社 代表取締役社長 平野正信氏
主要国を中心に生産年齢人口が年々減少し、世界的に労働人口の確保が難しくなることが予想されています。そうした中、企業にとって大きな鍵になるのが、グローバル化と、自社内の人材の有効活用です。そしてそれらに対応するためには、新たなラーニングシステムやタレント・マネジメントシステム、ビッグデータなどの活用が不可欠となるでしょう。サムトータル・システムズでは、こうした課題を解決すべく、「自ら・開発する・組織」を実現するシステムを提供。代表取締役社長・平野氏に詳細をお話しいただきました。
日本の人口は、鎌倉幕府成立の頃が757万人、江戸幕府成立の頃が1,227万人、明治維新の頃が3,330万人、終戦時が7,199万人と、ずっと右肩上がりに増え続けてきました。しかし現在のピークを境に、これからは減少し続け、2030年には11,662万人、2060年には8,674万人、2100年には5,000万人と明治末期の人口規模になると予想されています。
一方、生産年齢人口の減少も深刻で、日本の生産年齢人口の割合は2060年頃まで低下し、50%台となる見込みです。ただしこれは他の主要国並みの水準でもあり、世界的な傾向とも言えます。つまり日本だけでなく世界的に労働力の確保が難しくなり、先進国同士で人の取り合いになるのです。移民を受け入れるかどうかという議論もありますが、必ずしも移民を受け入れれば解決するというほど単純な問題ではありません。
ただ単に採用すれば良いという時代は終わります。逆に今いる社員をいかに大切にするかのほうが重要になってくるでしょう。そしてもう一つの解決策となるのが、グローバル化です。グローバル化にはさまざまな側面がありますが、まずはなぜグローバル化が必要なのか、その理由をご説明いたします。1つ目の理由は、ビジネスの拡張です。つまり外に広げることによって、売上げ、利益、市場、ブランディングなどを拡張していこうということ。そして2つ目の理由は、優秀な人材やコストパフォーマンスの良い人材を採用することが可能になります。人材のマーケットとしては、研究、開発、製造、マーケティング、サポート等が挙げられるでしょう。そして3つ目の理由は、国や地域の特性に合った会社機能の再配置です。本社機能、管理部門の集約、資金調達、税務対策などが挙げられます。
ではグローバル化にはどのような方法や課題があるのでしょうか。海外進出(現地法人、営業拠点、製造拠点、調達など)には、外国人の採用(日本および現地)が不可欠です。その際に必要となるのが、言語、文化、習慣などが異なる社員の待遇と労働環境の整備。さらに拠点に依存しない製品品質、サービス、手順、処理プロセスの均質化、社員の能力の把握・底上げと、標準化・均質化などでしょう。また、グローバルな管理・手法・評価・アセスメント・コーチングの確立や、コミュニケーション、情報共有、意志の伝達・通達なども重要です。こうしたことを実現するためにも、人事の役割が問われてきます。
IBMの開発エンジニア、日経マグロウヒル社(現日経BP社)記者、ハイペリオン日本法人代表、レッドハット・アジア担当VPなどを経て現在に至る。記者としての人脈、ソフトウエア全般、会計、人事などのITソリューションなどの豊富な経験を生かし、業界のビジョナリーとして活躍。明快な説明に定評がある。