「ワークモチベーション」とは、「目標に向けて行動を方向づけ、活性化し、そして維持する心理的プロセス」と一般的に定義されます。この定義は、1997年に学術誌「Research in Organizational Behavior」でワシントン大学のテレンス・ミッチェル教授によって発表されました。
モチベーションというと「やる気」や「意欲」を指すことが多いですが、それだけではなく「動機づけ」の意味も含まれます。つまり「ワークモチベーション」は、社員の働く意欲を高める動機づけや方法論としても用いられるのです。
動機づけとしてのワークモチベーションには、内発的な要素と外発的な要素があります。内発的な要素は、主体的に目標を立て自発的に行動を起こす、その自分の意志です。外からの刺激を必要とせず、自らの使命感や倫理観、道徳観を行動のエネルギー源とするのです。
一方で外発的な要素は、外部からの刺激や誘因です。給与や賞与といった経済的な報酬や、昇進など地位的な報酬などの事例は、外発的な動機を利用したものになります。
企業は社員に対して外発的動機づけを行うことが多いですが、物質的な報酬は無限ではないうえ大幅なコストアップにつながるため、それだけでは実用的ではありません。そのため、環境を整えて仕事上の達成感を持たせたり、自己実現の機会を設けたりするなど、いかに社員の内発的な動機を生み出させるかに力を注ぐと良いでしょう。
令和元年版労働経済の分析(経済産業省)