「上司とのコミュニケーション」は“対面”が多数
企業に勤める多くの人にとって、上司・部下間のコミュニケーションは避けて通れないものだろう。同期の仲間などとは違い、年代や勤続年数の異なる上司/部下とのかかわりの中では、不満やストレスが生まれてしまうことも多いと考えられる。実際に上司がいた経験を持つ社会人は、「上司とのコミュニケーション」についてどのように考えているのだろうか。※調査の出典:ベンナビ労働問題(株式会社アシロ)
はじめにアシロは、「上司とのコミュニケーションでよく使用する手段」を尋ねた。すると、「対面」が76.3%、次いで「チャットツール(Chatwork/Slack/LINEなど)」が13.4%となった。主に対面でコミュニケーションをとっている人が大多数であることがわかる結果だ。
また、「上司とのコミュニケーションが円滑に行われていると感じるか」との質問に対しては、63.1%が「感じる」と回答。この結果から、4割弱の人は「上司とのコミュニケーション」に課題を感じていることがわかった。
77.2%が「上司に不満がある」と回答。業務上の不満が多数に
次に同社が「上司に不満があるか?」と質問したところ、「まったくない」との回答は22.8%に留まり、77.2%が上司に不満を抱えていることがわかりました。また、「上司への不満がある」と回答した人に対して「どんな不満があるか?」と尋ねると、最多となったのは「指示があいまい」で388人、次いで「振られる仕事が多すぎる」が316人だった。この結果に対し、同社は過去に実施した調査と比較し、「上司が抱える部下への不満に関する調査では『指示をうまくくみ取れない』が3番目に多いことから、お互いの性格や価値観の部分だけではなく、知識や経験の差から不満が生じてしまっている可能性があるかもしれない」と推測している。
6割以上が「上司が自分のパフォーマンスに影響する」と感じている
続いて、「上司が自分のパフォーマンスに影響すると感じるか?」と尋ねると、「とても影響する」との回答が23.7%、次いで「多少影響する」との回答が36.7%となった。合計して60.4%の人は、「上司が自分のパフォーマンスに影響する」と感じているようだ。また、「上司が自分のパフォーマンスに影響する」と感じている人に対し、「上司とうまくコミュニケーションをとるために、どんなことに気をつけているか?」と尋ねたところ、199人が「報連相(報告・連絡・相談)をこまめにする」、183人が「適度な距離感をもつ」と回答している。方法は違えど、できるだけ自分のパフォーマンスを発揮できるよう、上司とのコミュニケーションをしていることがうかがえる。
66.7%が上司を理由に「退職」を考えた経験あり。実際に退職した人も4割弱に
次に同社が、上司に対して不満を持っている人に対して「上司が理由で会社を辞めたいと思ったことはあるか?」と尋ねると、66.7%が「ある」と回答した。さらに、「上司が理由で会社を辞めたいと思ったことがある」とした人に向け、「辞めたいと思って実際に行動したか?」と質問すると、39.7%が「実際に退職/転職した」とし、10.5%は「異動をした」と回答した。
他方、15.3%が「転職活動をしたが実際には転職しなかった」と回答したことから、65.6%は環境を変えるために何らかの行動をとったことが明らかになった。
この結果に対し、同社は「転職や異動には多くの時間や労力を要することから、必ずしもその選択肢が適切というわけではない。労働環境や健康状態、キャリアなどを天秤にかけながら、自分が納得できる適切な選択をする必要がある」との考えを示している。