半数が「男性のほうが賃金が高い」と回答。女性管理職の少なさなど「男女不平等」を実感か
2022年7月に「女性活躍推進法」の改正が行われ、常用労働者301人以上の大企業に対して“男女間賃金格差”の情報開示が義務付けられるなど、近年、男女の賃金格差は問題視されている。実際に現役のビジネスパーソンは、賃金格差についてどのように捉えているのだろうか。はじめにワークポートは、「身近なところで男女の賃金格差を感じることがあるか」を尋ねた。すると、賃金について「男性のほうが高い」が49.6%、「女性のほうが高い」が0.8%で、合わせると50.4%となり、約半数が“男女の賃金格差を実感している”ことが明らかになった。また、“男性のほうが高い”とした人がその大半を占めたことから、賃金に関しては「男性が優位だ」と感じている人が多いこともわかった。
そこで、“男性のほうが賃金が高い”とした人にその理由を聞いたところ、「結婚、出産、育児、介護などを女性が負担するケースが多く、女性は管理職への登用も少ないため」(40代女性・事務)、「いまだに女性の子育てや家事の配分が多いから」(40代男性・営業)など、ライフイベントによる女性のキャリアへの影響や管理職登用の少なさを理由とする意見が多くあがったという。また、「男性は仕事、女性は家事育児というような昔ながらの風潮が残っているため」(30代男性・システムエンジニア)、「日本企業特有の男性優位の人事考課であるため」(40代女性・クリエイター)など、男性中心の社会風潮や企業体質がいまだ根強く残っていることを指摘する意見も寄せられたとのことだ。
6割超が「男女の賃金格差が仕方ないとは思わない」。男女平等を求める声が多数に
続いて同社は、“男女の賃金格差を感じることがある”とした人に「男女の賃金格差は仕方ないと思うか」を聞いた。すると、「仕方ないとは思わない」が63.3%(まったくそう思わない:33%、あまりそう思わない:30.3%の計)だった。そこで、“男女の賃金格差が仕方ないとは思わない”とした人にその理由を聞いた。すると、「男女平等にするべきだと思うから」(20代女性・営業)、「性別と能力は関係ないから」(30代男性・クリエイター)、「同じ仕事をしているにも関わらず性別によって賃金が異なるのは不自然だと感じるから」(40代女性・管理)など、性別を理由に区別されるべきではないとする意見があがったとのことだ。一方、「身体的特徴からくる差がある」(30代男性・営業)、「性別が違えば求められる役割も違ってくる」(30代男性・機械系エンジニア)など、男女の賃金格差は仕方ないという声もあったという。
約6割が職場に“男女の賃金格差改善”を希望。「女性管理職の比率向上」や「評価制度の見直し」など
次に同社が、“男女の賃金格差を感じることがある”とした人に「男女の賃金格差の解消のために、職場に改善を希望するか」を尋ねたところ、「希望する」が58.9%だった。そこで、“職場に改善を希望する”とした人に「具体的にどのような対策を求めるか」を尋ねた。すると、「女性の管理職登用、昇給を男性並みにする」(40代男性・システムエンジニア)、「性別ではなく能力で査定する」(40代女性・その他)、「女性も同等の仕事をこなせる職場環境づくり」(30代男性・製造)といった、男女が平等に活躍できる職場の環境や仕組みづくりを求める声が多くあがったとのことだ。また、「女性に補佐を要求する風潮をなくす」(40代女性・管理)、「男性社員へ積極的に主要業務を回す上司や、男女の社員が同じことを発言しても男性の意見のみを擁護するような環境の是正」(30代女性・管理)など、ジェンダーハラスメントの解決を望む声も寄せられたという。