約6割が「SDGsに関する取り組み」を行っている
企業の持続的発展に向け、ESGおよびSDGsに関する取り組みの重要度が増しているが、企業の取り組みの状況はどうだろうか。まず、エンワールド・ジャパンは「現在、社内でSDGsに関する取り組みがあるか」を尋ねた。すると、全体では57%が「ある」と回答した。また、外資系/日系別にみると、外資系では56%、日系でも57%が「ある」と回答し、外資系・日系を問わず半数以上が取り組みを推進していることがわかった。外資系・日系ともに最も取り組まれているSDGs項目は「ジェンダー平等」
次に同社は、SDGsに関する取り組みが「ある」と回答した企業に対し、「国連が掲げるSDGsの17項目のうち、どの項目に取り組んでいるか」を尋ねた。すると、全体として最も多かったのは「ジェンダー平等を実現しよう」の項目となった。外資系/日系別では、重視する項目の順位に大差はなかった。しかし、各項目における選択割合は、外資系と日系で差が生じた。特に大きな差が開いた項目は、「5.ジェンダー平等を実現しよう」(外資系:76%、日系:55%)と、「10.人や国の不平等をなくそう」(外資系:48%、日系:23%)の2項目で、その差はそれぞれ20ポイント以上となった。
ESGやSDGsに関する取り組みが“営業活動”として重視される傾向に
さらに同社は、SDGsに関する取り組みが「ある」とした企業に対し、「ESGやSDGsの推進理由は何か」と尋ねた。すると、全体では「環境・社会・地域への責務、貢献」が最多の78%となった。以下、「事業に直接関わる営業活動の一環」が59%、「従業員に対する責務、貢献」が53%、「事業に直接関わらないCSR活動の一環」が49%と続いた。この結果を踏まえて同社は、「ESGやSDGsの推進は単なるCSR活動にとどまらず、事業自体に関わる営業活動としての意味合いが強い」としている。ESG/SDGsの推進部門は「経営層」が最多となるも、外資系・日系で主幹部署が異なる
続いて同社は、「ESGやSDGsを推進する主管部門はどこか」と尋ねた。すると、全体では「経営層」が47%で最多だった。以下、「SDGs/ESGの専門部門」が37%、「人事・総務」が26%と続いた。外資系・日系別で、特に差が顕著となったのは「経営企画」(外資系:8%、日系:30%)で、その差は22ポイントとなった。また、「経営企画を主幹とする」との回答順位は、外資系で9位、日系で3位と対照的な結果となった。他にも複数の項目で差がみられたことから、外資系と日系とでは推進部門が異なる傾向があるようだ。
約4割がESG/SDGsの専門役職・部門を設置。新設の意向を持つ企業も
次に、「社内にESGやSDGsを専門にする役職が社内にあるか」と同社が尋ねた。すると、「ある」との回答は外資系・日系ともに39%となった。また、「今後ESGやSDGsに関する専門部門・役職を新設する、または増やす予定の有無」を尋ねると、全体の2割以上が「ある」と回答したという。
ESG/SDGs推進への課題は、知識・人員・予算等の「リソース不足」か
最後に、同社は「ESGやSDGs推進に関して、自社にはどのような課題があるか」と尋ねた。すると、全体では「SDGsに関するリソース(知識・人員・予算等)がない」が40%で最多だった。以下、「ESG/SDGsの専門部署・役職がない」が39%、「取り組みに対する評価・目標設定が分からない」が38%と続いた。自由回答では下記のような声が寄せられたという。
・取り組む課題や目標が大きいほか、多様なステークホルダーがおり社内で完結しないため(外資系企/IT・通信・ソフトウェア)
・推進活動が有志ボランティアに委ねられてしまうため(外資系企業/サービス)
・取り組み内容が小さなアクションに限られ、意味ある計画や目標になっていない(外資系/製造業)
・会社が推進する意義の説明がない(日系/IT・通信・ソフトウェア)