雇用調整助成金等・休業支援金等の助成率・補助率を引き下げ。業況により経過措置も
雇用調整助成金等および休業支援金等の特例措置は、新型コロナウイルスの影響により事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、従業員の雇用維持を目的に、厚労省が休業手当などの一部を助成する制度だ。これについて厚労省は、2022年11月までは通常制度よりも助成率および助成金を引き上げていたが、同年12月以降、通常制度に準じて実施していく方針を示した。ただし、業況が厳しい事業主に対しては、一定の経過措置(支給要件の緩和、日額上限・助成率を通常よりも高率とする等)を設けるという。12月からの通常制度への移行により、雇用調整助成金等の原則的な措置では、中小企業・大企業ともに1日あたりの上限額は「8,355円」で11月末までと変わらないものの、助成率が中小企業で「4/5」から「2/3」に、大企業では「2/3」から「1/2」に引き下げられる予定だ。一方で、特に業況が厳しい事業主に対する経過措置は2022年12月から2023年1月まで実施される予定で、1日あたりの上限額が「9,000円」、助成率が中小企業で「2/3」、大企業で「1/2」となる。
また、休業支援金等では、中小・大企業ともに日額最大「8,355円」でこれまでと同額だが、補助率が「8割」から「6割」に変更となる。なお、「地域特例」と「業況特例」については、12月以降、中小企業・大企業ともに実施しない方針だという。
新型コロナの感染拡大防止と経済活動の両立の観点から、徐々に特例措置が解除され通常制度へと移行していくかもしれない。最新の情報を収集し、国の助成を適切に活用していきたい。