経済産業省は2024年1月23日、「経済対策に基づく新たな資金繰り支援策」を行うと発表した。これは、2023年11月2日に閣議決定された「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に基づき、新たに設けられた支援策となる。
「経済対策に基づく新たな資金繰り支援策」を経済産業省が公表。“デフレ完全脱却”に向け創設

追加支援策として「新たな信用保証制度の創設」、「日本政策金融公庫等のコロナ資本性劣後ローンの金利運用見直し」

政府は2023年11月2日、長く続くデフレからの完全脱却を目指し、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を閣議決定した。これを受け、経済産業省は2024年1月23日、「経済対策に基づく新たな資金繰り支援策」を行うと発表した。既存の経済対策に加え、以下2点の新たな資金繰り支援策を行い、賃上げや投資が伸びる拡大好循環を実現したい考えだ。

(1)新たな信用保証制度を創設

中小企業の4割が利用している信用保証制度において、依然として信用保証付融資の7割で経営者保証を徴求している現状がある。それを変えるため、保証料を上乗せすることで、経営者保証の提供を不要とする信用保証制度を創設する。また、新制度の活用を促すため、上乗せ保証料について3年間の時限的な保証料負担軽減策を行う。なお、本制度については、2024年3月15日より申込受付を開始。それに先立ち2月16日より、要件確認などの事前審査も開始する。



(2)日本政策金融公庫等のコロナ資本性劣後ローンの金利運用見直し

コロナ資本性劣後ローンの黒字金利は、直近決算の黒字額から負担することになるが、黒字額が小さい場合、金利負担により実態上赤字に転落する場合がある。

このことを受け、2024年2月16日より運用の見直しを行い、直近決算で黒字の事業者が翌年度に黒字金利を支払った際に直近決算において事実上の赤字に陥る場合には、直近決算期後1年間については赤字金利(0.5%)を適用する。
日本経済は、バブル崩壊後の30年間コストカットを最優先してきたが、現在30年ぶりに変革のチャンスを迎えている。企業はこうした資金繰り支援策を活用し、デフレからの脱却に向け成長力を強化していきたい。

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