100人の障がいのある人と共に働くため、オフィス環境を整備
厚生労働省が発表した2021年の「障害者雇用状況」を見ると、雇用障害者数は約59万7,000人、実雇用率は2.2%と過去最高を更新した。しかし、民間企業において2021年3月に引き上げられた法定雇用率の2.3%に達成している企業は、現在約半数に留まっている。少子高齢化が加速し、労働人口が減少している今、障がい者などを含む多様な人材が働き、活躍できる環境構築および職場の風土改革が、企業の持続的な発展のためにも重要度を増している状況だ。スペシフィックは、障がい者雇用におけるインフラサービスの提供を目的に、障がいのある人に向けた総合求人サイトやサテライトオフィスなどの提供を行っている。今回、「障がいのある人と共に働くオフィス」を体現するべく、本社の移転を決定したという。
新オフィスのコンセプトを「100人の障害をお持ちの方と働くオフィスへ」とし、オープンなラウンジスペースやワークスペースを設置。コミュニケーションが行き交う場所を作ることで、従来のオフィスと比較し、他業種多様な業界のさまざまな人が関わり合える工夫がされている。同社は、「障がい者の職場定着率は1年間で5割ほど」、「就職後も1年間で2人に1人は退職してしまう」といった現状を変えるため、より長く働きたいと思える、誰もが安心して働ける環境を創造していくという。
障がい者雇用にあたっては、経営者をはじめ社内の理解や作業内容の改善など、課題を持つ企業もあるのではないだろうか。障がいのある従業員の雇用を安定的に継続するためには、まずはオフィス環境の整備など、自社でできることから取り組む姿勢が重要となるだろう。