「残業するために“ダラダラ仕事をする人”がいる」と「いない」は半々の結果に
近年、長時間労働による過労死の問題などを背景に、残業を推奨しない、または残業させない企業が増えている。ワークライフバランスの観点から「残業をできるだけしたくない」と考える働き手も増えているが、実態として、従業員は残業に対しどのような意識を抱いているのだろうか。まず識学は、「残業するために“ダラダラ仕事をする人”がいるか」を尋ねた。すると、「ダラダラ仕事をする人がいる」は49.7%、「いない」は50.3%で、ほぼ同水準だった。
実際に仕事を“しっかりしている”か“ダラダラしている”かは見る人の主観になるが、「ダラダラする人がいる」との回答は半数に迫り、決して少なくないことがうかがえる。
「残業している方が稼いでいると思う」との回答は6割以上に及ぶ
続いて同社は、「“残業している人の方が実は稼いでいる”と思うことがあるか」を質問した。すると、「そう思う」が65.7%(「そう思う」:25%、「まあまあそう思う」:40.7%)に達した。「残業したくない」人は8割に迫るも、「したい」人も2割程度に。金銭的理由が背景か
次に同社が、「残業をしたいか」について聞いたところ、「残業したくない」が77.6%(「残業は絶対したくない」:21.3%、「どちらかというと残業はしたくない」:56.3%)だった。一方で、「実は残業したいと思っている」人は22.4%(「できれば残業したい」:5.7%、「どちらかと言えば残業したい」:16.7%)いることもわかった。「残業したい理由」を見てみると、「残業代無しでは生活が苦しいから」、「給料が増えるから」など、“仕事が終わらない”などの業務的な理由は少なく、“金銭的な理由”が多く挙がったという。また、「残業したくない理由」には、「家庭を優先したいから」や「心身ともに疲弊するから」との声が聞かれたとのことだ。
企業側は「残業」をどのように評価しているのか。ポジティブなイメージも上位に
続いて、「残業することに対して会社はどのように評価しているか」を聞いたところ、「残業の有無では評価されていないと思う」が66%で最多だった。他方で、「残業している人の方が評価されていると思う」が21%、「残業しない人の方が評価されていると思う」が13%となった。「残業している人の方が評価が高い」とする人の割合が、「残業しない人の方が評価されている」とする人の割合を上回ることがわかった。同社は、企業側が残業に対し、「業務を数多くこなしている」、もしくは「頑張っている」などポジティブに評価してしまう実態があるのではないかと推察している。
また、会社側のトップは「嫌だ」が28%、次いで「仕事を頑張っている」が21.7%だった。従業員、会社双方からみても、残業を行う姿勢を“ポジティブ”に捉える人は少なからずいることがうかがえる。
「残業に関する施策を未実施」は約9割。実施企業の大多数は「ノー残業デー」を導入
最後に同社が、「会社は残業に対する施策を行っているか」を聞いたところ、「行われている」はわずか12%で、「行われていない」が88%だった。また、「行われている」と回答した人に「どのような対策・施策を行っているか」を聞いたところ、ほとんどが「ノー残業デー」だった。そのほか、「パソコンを強制的にシャットダウン」や「電気が消える」といった声が挙がったという。
さらに「残業を減らすために、社員側が職場へ求めるもの」も尋ねると、「必要のない業務をさせない」や「残業をしない雰囲気づくり」、「人員を増やす」といった意見が上位だったとのことだ。