株式会社One Terraceは2022年12月15日、「外国人雇用の適正雇用に関する実態調査」の結果を発表した。調査期間は2022年11月25日~29日で、従業員数1,000名以上の大企業におけるESG担当およびCSR担当、経営企画109名から回答を得た。これにより、大企業での外国人雇用の受け入れ体制や体制整備の重要度などが明らかとなった。
9割が「外国人適正雇用」に関する受け入れ体制整備に重要性を実感。一方でグループ会社の雇用体制を不安視する声も

半数以上が「自社の外国人雇用の受け入れ体制は十分」と回答

各企業での人材不足が深刻化する中で、外国人人材の需要が高まっているが、大企業での外国人雇用の受け入れ体制は整っているのだろうか。はじめにOne Terraceが、「自身の勤務先での外国人雇用の受け入れ体制は十分だと思うか」を質問した。すると、「非常にそう思う」が17.5%、「ややそう思う」が33.9%で、「十分だと思う」との回答は計51.9%となった。
勤務先での外国人雇用の受け入れ体制は十分だと思うか

受け入れ体制が十分な理由は「ビザ管理や安全衛生を整えているから」が最多

続いて、先の質問で「非常にそう思う」、「ややそう思う」と回答した人に、「勤務先での外国人雇用の受け入れ体制が十分だと思う理由」を同社が尋ねると、「在留資格(ビザ)管理や安全衛生を整えているから」が41.1%で最多だった。以下、「生活環境のサポートなど労務管理が充実しているから」が39.3%、「雇用契約や労働条件内容を書面にて通知した上で雇用契約をしているから」が35.7%と続いた。

自由回答では、「社内の公用語が英語だから」や「国籍に関係なく評価される人事が徹底されているから」、「海外にも事業所があり、外国人社員が多いため理解が進んでいると思うから」といった声があがったという。
勤務先での外国人雇用の受け入れ体制が十分だと思う理由

9割が「外国人雇用に関する適正な受け入れ体制の整備」の重要性を実感

次に、同社が「今後、外国人雇用に関する適正な受け入れ体制を整備することが重要になっていくと思うか」を質問した。その結果、「非常にそう思う」が44.1%、「ややそう思う」が46.8%で、外国人の適正な受け入れ体制整備を重要視する人が9割にのぼった。
今後、外国人雇用に関する適正な受け入れ体制整備が重要になると思うか

グループ会社や下請けの「外国人雇用の受け入れ体制」に不安を感じる人が半数以上

続いて、「勤務先の子会社・グループ会社・下請け会社の外国人雇用に関する『制度設計・労務管理・採用』の一連の受け入れ体制に不安はあるか」を同社が尋ねた。すると、「非常に不安」が6.4%、「やや不安」が45.9%で、不安視する人の合計は52.3%となった。
子会社やグループ会社での外国人雇用に関する受け入れ体制に不安はあるか

不安視する理由は「社内に専門家がいない」、「雇用経験が少なく知識がない」など

また、上の質問で「非常に不安」、「やや不安」と回答した人に、「外国人雇用に関する『人事制度・労務管理・採用』に不安がある理由」を尋ねた。すると、「社内に外国人雇用に精通する専門家がいないから」(47.4%)、「雇用の経験年数が浅く、社内に知識やノウハウがないから」(45.6%)、「雇用人数が多く管理が行き届かないから」(31.6%)といった回答が多く集まった。

フリーコメントには、「意志疎通が難しい」や「給与体系や評価制度の適正性に不安がある」などの声が寄せられた。
外国人雇用に関する不安がある理由
本調査より、大企業の9割が「外国人雇用に関する適正な受け入れ体制の整備」の重要性を感じている一方で、グループ会社など関連会社における受け入れ体制を不安視している人もいることがわかった。グループ全体での外国人雇用強化のためには、専門家の設置や企業間でのノウハウ共有などが有効な手段となるのではないだろうか。

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