「賃上げ促進税制」の認知度は半数以上も、詳細までは知らない人が多数か
2022年4月から「賃上げ促進税制」が施行された。これは従業員の給与引き上げを支援する制度で、給与支給増加額などに対する税額控除が、最大40%まで引き上げられるというものだ。こうした新しい制度について、企業の経営層や従業員の認知度はどの程度なのだろうか。はじめにフリーウェイジャパンは、「『賃上げ促進税制』を知っているか」を尋ねている。その結果、「詳細まで知っている」が7.2%、「詳細は知らないが制度自体は知っている」が50.7%で、合計57.9%が「賃上げ促進税制」を認知していることがわかった。一方で、「知らない」が42.1%と、約4割は制度自体を認知していないことがうかがえる。
制度を「活用する」とした企業は1割未満にとどまる
次に同社が、「『賃上げ促進税制』を知っている」とした回答者に対して「制度の活用意向」について尋ねたところ、「活用する」は8.4%にとどまった。また、「わからない」が約半数の49.9%を占め、「活用しない」が41.7%となった。約9割の企業では、制度を活用しない、または活用について不明確であることがうかがえる。制度を活用しない理由は「税制優遇の効果に期待できないため」が最多
続いて同社は、「『賃上げ促進税制』を活用しない」とした回答者に対し、その理由を尋ねている。その結果、「税制優遇の効果に期待できないため」が40%で最多となった。以下、「賃金の引き上げにより業績悪化の可能性があるため」が28.3%、「コロナ禍において業績の回復が見込めないため」が24.1%などと続いた。1割超の企業で賃上げを予定。「従業員の定着率向上」や「業績向上」が理由か
次に、同社は「今後の賃金引き上げの有無」について質問した。すると、「実施予定」が14.7%、「検討しているが、実施は未定」が41.1%、「実施しない」が44.2%という結果だった。「賃上げを実施予定」とした回答者からは、その理由として、「従業員の定着率向上のため」や「業績の向上が見込めるため」、「人材確保のため」といった声が挙がった。
一方で、「賃上げを実施しない」とした理由については、「業績の回復が見込めないため」や「一度基本給を上げると元に戻せないため」、「賃金を上げなくても人材確保ができているため」などの回答があった。