厚生労働省(以下、厚労省)は2022年2月25日、新型コロナウイルス感染症に係る「雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金」(以下、雇用調整助成金等)と「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の特例措置」(以下、休業支援金等)について、同年3月末までとしていた現在の助成内容を、6月末まで継続する方針だと発表した。これにより、対象となる企業や事業所では、各種助成金等を延長して利用することができるという。なお、今回の発表は発表時点での予定であり、厚生労働省令の改正等により正式に施行される。
厚生労働省、「雇用調整助成金等・休業給付金等の特例措置」を2022年6月末まで継続すると発表

事業の存続や従業員の雇用維持を図るため、助成内容を継続へ

新型コロナウイルス感染症・オミクロン株の流行拡大による事業活動への影響を受け、厚労省では現在、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象区域において、休業や営業時間の短縮などの要請に協力した飲食店等の事業主と労働者を対象に、「雇用調整助成金等」および「休業支援金等」の特例措置を講じている。これまで実施期間を「2022年3月末まで」としていたが、事業の継続や従業員の雇用継続を図るため、期間を「2022年6月末まで」に延長する方針だ。

6月末まで延長される助成金・給付金の助成額や助成率は3月末までと同様で、「雇用調整助成金等」については、大企業および中小企業に日額最大9,000円を原則的な措置として給付(助成率は解雇の状況によって異なる)としているが、このうち「地域特例」や「業況特例」に該当する場合は日額最大1万5,000円を給付する。

また、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象区域における「休業支援金等」については、原則的な措置として、大企業(ただし、シフト制労働者等のみ)および中小企業は最大8,265円を給付としているが、地域特例に該当する場合は最大1万1,000円を給付する。

なお、2022年7月以降の助成内容については、「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太方針2021)に基づき、今後の雇用情勢を見極めながら、具体的な助成内容を検討した上で、同年5月末までに告知するという。
雇用調整助成金等・休業支援金等の助成内容
新型コロナ・オミクロン株の流行拡大に歯止めがかからない状況のなか、事業存続の危機に直面する事業者も多くいると考えられる。今後も新型コロナの感染状況を注視しながら、政府による支援や助成の最新情報を確認し、適切に活用していきたい。

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