株式会社学研ホールディングス(以下、学研ホールディングス)は2021年12月17日、国立大学法人 電気通信大学(以下、電気通信大学)と、産学連携に係る包括的連携協定を締結したと発表した。本協定により、「イノベイティブなDX人材育成」をはじめ、持続可能な社会の実現に向けた共同研究によって、高齢化社会の課題解決に向けた取り組みを開始するという。
学研ホールディングス、電気通信大学と包括的連携協力に関する協定を締結。産学連携により、DX人材育成や共同研究を実施

両者の知見を活かした人材育成や共同研究により、社会課題の解決へ

学研ホールディングスは、戦後70年以上に渡り国内の教育業界をリードし、近年は喫緊に迫る超高齢化社会を見据えた医療・福祉の充実に努めている。一方、電気通信大学は、「Society5.0」を「共創進化スマート社会」として、それを実現するために必要なAIやネットワーク、ロボットなどを含む全ての技術分野をカバーし、自らも「共創進化スマート大学」として教育研究を続けている。

本協定は、両者のニーズが合致し実現したもの。人生100年時代を迎えた超高齢社会の各種課題を解決すべく、イノベイティブなDX人材育成や人材交流をはじめとした共同研究を行い、相互の持続的発展や持続可能な地域社会のシステム構築に貢献していきたいという。主な取り組み内容は以下の通り。

(1)人材育成

●学研ホールディングスが指定校採用枠(年間2名)を設置し、電気通信大学の学生がDX分野で活躍できる場を提供
●学研ホールディングスが実施しているインターンシップを電気通信大学生に展開。イノベーション創出に向けた高い学習意欲とキャリア観を養成
●学研ホールディングスによる寄附講義を電気通信大学に開設。情報理工系分野を専攻する学生に、マーケティングの理論および実践を学修する機会を提供

(2)共同研究

●学研グループの教育事業や医療福祉事業等の知見と、電気通信大学の最先端の研究知見および研究資産により、教育・医療福祉分野をはじめとする社会の課題解決に向けた共同研究を推進
●共同研究の第1弾として、「歩く」ことを検証。学研グループの高齢者施設で蓄積したビッグデータを、電気通信大学の歩行動作研究とAI等の最新技術で解析し、最適な歩き方を導き出すとともに、「転倒および骨折防止策」を構築する。

将来的には、両者の知見や研究資産などの利活用による「新たな多世代交流のカタチ」を目指し、人材育成および共同研究を主として、効果的な取り組みを進めていくという。さらに両者は、「誰もが豊かで安全に生きられる持続可能な未来社会」を実現するため、テクノロジーやデータサイエンスの力を活用できる人材育成を軸に、日本国内はもとより国際社会への貢献を図っていきたい考えだ。
本協定は、両者の知見を活かすことで社会課題の解決を図る、産学連携のロールモデルの一つとなりそうだ。持続可能な社会の実現に向け、企業・機関の枠を超えて取り組みを進める重要性は、今後さらに増していくのではないだろうか。

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