「環境問題の解決」と「経済成長」を同時に実現する、次世代事業の創出へ
世界的な人口増加と経済成長にともなうエネルギー需要は、増大の一途をたどっている。その一方で、「気候変動問題」は地球規模で取り組むべき喫緊の課題だ。このような中、「環境負荷の低減」と「経済成長」を同時に達成させる、持続的なエネルギーサイクルを構築する必要性が高まっている。今回、住友商事はカーボンニュートラル社会の実現に向け、脱炭素・循環型エネルギーシステムを利用した次世代事業を創出するべく、社内の専門的知財や人材などの経営資源を、EIIに投下する意向を示した。副社長執行役員を筆頭に、機動力を持って戦略を遂行していくという。
具体的には、新組織「EII」に、中長期視点での事業開発が必要な「水素・蓄電池事業」、「森林事業」、「バイオマス燃料事業」、「次世代エネルギー関連事業」を集約する。ここで、社内外からのさまざまな知見や人材を活用した多角的アプローチを行い、バリューチェーン全体を俯瞰し、以下の3つを軸とした事業拡大に注力していく構えだ。
1.水素・アンモニアの利活用等、「カーボンフリーエネルギー開発と展開」
2.大型蓄電事業・リユース蓄電池事業等、「新たな電力・エネルギーサービスの拡大」
3.森林などによる環境価値創造事業、次世代バイオエネルギー開発等、「CO2の吸収・固定・利活用」
同社では、EIIによる次世代事業の創出を通じて、2020年6月に定められた「気候変動緩和」や「循環経済の実現」などの重要社会課題の解決により、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してきたいとしている。
持続可能な社会を見据えた活動は今、企業にとって一つの大きな課題となっている。産業のバリューチェーン全体の中でどのような役割を担えるのか、改めて考えてみてはいかがだろうか。