女性役員比率の向上にむけた活動を、経営トップが自ら推進へ
2010年に英国でスタートした「30% Club」は、企業の経営トップがメンバーになることによってジェンダーを「喫緊のビジネスの課題」として捉え、ダイバーシティに向けた取り組みを主体的に推進するキャンペーンだ。これまで世界15の国と地域で展開しており、役員に占める女性割合の向上に貢献してきたという。「30% Club Japan」は、日本における30% Clubの活動母体だ。同組織では、取締役会やマネジメントチームなど、企業の意思決定機関におけるジェンダーバランスの健全化は、企業のガバナンス強化だけでなく、持続的成長の促進、国際競争力の向上、ならびに持続可能な日本社会の構築に寄与すると考えているとのこと。また、これらの考えに基づき、TOPIX100の取締役会に占める女性割合を、2020年に10%、2030年30%にすることを目標に掲げ、活動を実施している。
一方リコーでは、これまでも「ダイバーシティ」と「ワークライフ・マネジメント」を企業成長に向けた経営戦略として位置付け、取り組みを実施してきた。2020年度からは、経営基盤の強化に向け、重要課題に「ダイバーシティ&インクルージョン」を設定。ESG目標として定め、働き方変革やキャリアサポートを中心に強化している。
そのような中、同社は30% Club Japanと考えが一致したことを受け、同クラブへの加盟を決定。今後、より幅広い女性の活躍を目指し、パイプラインを強化する施策を実施する。その1つとして、2030年までに役員に占める女性比率を、現状の9.8%から18%まで引き上げることを目指し、トップ自ら活動を推進していく考えだ。
日本企業の役員における女性比率は、先進諸外国と比べても低水準となっている。この先は生き残りをかけ、人種や性差、信条といったさまざまな「違い」を超えてその人自身の人格をもとに人選を行う風土を作ることが、ますます求められるようになるだろう。