
コロナ禍により中途採用者のオンボーディングも「オンライン化」や「少人数化」が進む
「オンボーディング」とは、「業務に必要な知識や仕事の手順」や「企業文化・ルール」などの指導を通じて職場への早期定着、戦力化を早めることを目的としておこなうものだ。オンボーディングの内容は多岐に渡るが、パーソルキャリアでは今回の調査にあたり、次のように分類し、それぞれの項目について調査を実施した。・入社前のオフィス見学
・人事・採用担当者との面談(入社前/入社後)
・配属先上司との面談(入社前/入社後)
・配属先メンバーとの顔合わせ(入社前/入社後)
・中途採用者同士の顔合わせ(入社前/入社後)
・歓迎会など、業務時間外におこなう非公式イベント
・人事部主導の研修
・配属先主導の研修
・OJT(On-The-Job-Training)
最初に、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた「中途採用者のオンボーディングの変更や中止」の有無について聞いた。すると、各項目で「何かしらの変更を行った」との回答がおおむね半数以上を占める結果となった。


ICT環境の構築により「コミュニケーション機会」を確保
次に、オンボーディングを「変更または中止」した企業に、工夫していることや代替案として実施している施策をたずねた。すると、多くの担当者が「コミュニケーション頻度を増やした」と回答。さらにWeb会議やチャットなど、新たなツールを導入することでコミュニケーションを円滑化させようとする動きもみられた。そのほか、「チーム活動を積極的に実施した」、「OJTが不足する分オンライン研修を手厚くした」、「歓迎会替わりにオンライン飲み会を開催」などの声もあがっており、対面でのコミュニケーションが限られる中でも、中途採用者に対してより丁寧なフォローを実施しているようだ。
約5割の担当者がオンボーディングの変更にともない「良い影響」を実感
また、「オンボーディングの変更または中止により、中途採用者の入社後の活躍に影響がある(あった)か」を聞くと、「良い影響がある(あった)」と回答した企業はあわせて48%にものぼった。一方、「悪い影響がある(あった)」と回答した企業は19%にとどまる結果となっている。オンボーディングのオンライン化・少人数化を通じ、以前よりもコミュニケーション機会が増加し、中途採用者に好影響をもたらしていることが推察される。