総合人材サービスを展開する、パーソルグループのパーソルキャリア株式会社は2020年7月21日、「コロナ禍における中途採用者のオンボーディング実態調査」の結果を発表した。調査期間は2020年6月17~18日、2020年4月以降に中途採用で正社員を受け入れた企業の中途採用担当者220名から回答を得たもの。これにより、中途採用者のオンボーディングに好影響を与える手立てなどが明らかとなった。
ニューノーマル時代の「オンボーディング」成功のポイントとは?パーソルキャリアが中途採用者における実態を調査

コロナ禍により中途採用者のオンボーディングも「オンライン化」や「少人数化」が進む

「オンボーディング」とは、「業務に必要な知識や仕事の手順」や「企業文化・ルール」などの指導を通じて職場への早期定着、戦力化を早めることを目的としておこなうものだ。オンボーディングの内容は多岐に渡るが、パーソルキャリアでは今回の調査にあたり、次のように分類し、それぞれの項目について調査を実施した。

・入社前のオフィス見学
・人事・採用担当者との面談(入社前/入社後)
・配属先上司との面談(入社前/入社後)
・配属先メンバーとの顔合わせ(入社前/入社後)
・中途採用者同士の顔合わせ(入社前/入社後)
・歓迎会など、業務時間外におこなう非公式イベント
・人事部主導の研修
・配属先主導の研修
・OJT(On-The-Job-Training)


最初に、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた「中途採用者のオンボーディングの変更や中止」の有無について聞いた。すると、各項目で「何かしらの変更を行った」との回答がおおむね半数以上を占める結果となった。
ニューノーマル時代の「オンボーディング」成功のポイントとは?パーソルキャリアが中途採用者における実態を調査
具体的な変更点を聞くと、それぞれの項目で「オンライン」や「少人数」での実施に切り替えている企業が多いことがわかる。「3密」の回避が求められる中で、さまざまな工夫をしながらオンボーディングを実施していることがうかがえる。
ニューノーマル時代の「オンボーディング」成功のポイントとは?パーソルキャリアが中途採用者における実態を調査

ICT環境の構築により「コミュニケーション機会」を確保

次に、オンボーディングを「変更または中止」した企業に、工夫していることや代替案として実施している施策をたずねた。すると、多くの担当者が「コミュニケーション頻度を増やした」と回答。さらにWeb会議やチャットなど、新たなツールを導入することでコミュニケーションを円滑化させようとする動きもみられた。

そのほか、「チーム活動を積極的に実施した」、「OJTが不足する分オンライン研修を手厚くした」、「歓迎会替わりにオンライン飲み会を開催」などの声もあがっており、対面でのコミュニケーションが限られる中でも、中途採用者に対してより丁寧なフォローを実施しているようだ。

約5割の担当者がオンボーディングの変更にともない「良い影響」を実感

また、「オンボーディングの変更または中止により、中途採用者の入社後の活躍に影響がある(あった)か」を聞くと、「良い影響がある(あった)」と回答した企業はあわせて48%にものぼった。一方、「悪い影響がある(あった)」と回答した企業は19%にとどまる結果となっている。オンボーディングのオンライン化・少人数化を通じ、以前よりもコミュニケーション機会が増加し、中途採用者に好影響をもたらしていることが推察される。
ニューノーマル時代の「オンボーディング」成功のポイントとは?パーソルキャリアが中途採用者における実態を調査
コロナ禍により、企業におけるさまざまな活動が変更を余儀なくされる中、中途採用者のオンボーディングも同時に変化してきているようだ。中途採用者が入社後スムーズに業務を遂行できるよう、企業側もニューノーマル時代のオンボーディングの形を模索してみてはいかがだろうか。

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