約7割の企業がコロナ禍でも中途採用を継続
新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言は解除されたものの、引き続き予断を許さない状況が続いている。一部の企業では、コロナ禍の影響により、採用活動の一時休止や延期、休業などが発生している。これを受け、エンワールド・ジャパンが、コロナ禍における企業の中途採用状況の実態について調査した。「中途社員の採用活動を継続して実施しているか」と尋ねると、「一部のみ採用活動を実施している」も含め、外資系企業では約60%、日系企業は約85%が「実施している」と回答。外資系企業と比較し、日系企業の方が約25%高いことから、中途採用に関しては外資系企業の方が慎重のようだ。
中途採用を行う企業の3割が、以前より積極的に採用を実施
先ほどの設問で、採用活動を「一部のみ実施している」および「実施している」と回答した企業を対象に、「どの程度積極的に実施しているか」と聞いた。その結果、「非常に積極的」、「やや積極的」の回答を併せると、外資系企業では27%、日系企業は35%となった。それぞれ約3割の企業が中途採用に前向きな姿勢であることがわかる。「採用計画」と「人員不足」を背景に採用を継続
次に、中途採用活動に対して「非常に積極的」または「やや積極的」である理由を聞くと、「年間の採用計画に基づく採用」との回答が最も多く、外資系企業では57%、日系企業で72%となった。次いで、「新型コロナウイルス感染症流行前からの継続的な人員不足」が外資系企業では57%、日系企業は48%という結果に。コロナ禍においても、計画通りの採用活動を行う企業が多いようだ。中途採用活動に消極的な企業のうち、半数以上が「良い候補者がいれば検討したい」と回答
一方、中途採用活動に対して「非常に消極的」および「やや消極的」と回答した企業にその理由を尋ねると、「積極的な活動は行わないが、良い候補者がいれば検討したい」との回答が最も多く、外資系企業では54%、日系企業で52%となった。消極的とはいえ、採用活動を完全休止する状況ではないことがわかる。このほか、「事業の先行きが不透明なため、様子を見ている(外資系企業46%・日系企業38%)」との回答もあり、今後の状況に合わせて判断する企業もあるようだ。採用を行う職種は「営業」が最多
次に、中途採用活動を実施している企業に対し、積極的に採用している職種を尋ねた。その結果、最も多い回答は「営業」で外資系企業では43%、日系企業は41%となった。これに続き、外資系企業では「マーケティング・商品開発・広報」が22%、日系企業では「エンジニア・技術(IT、ゲーム、Web、通信)」が30%となり、これらの職種に多くの回答が集まった。積極的に採用したいポジションは「スペシャリスト」や「管理職」
また、中途採用で積極的に採用しているポジションを聞くと、「スペシャリスト」が最も多く、外資系企業では64%、日系企業で75%となった。これに次いで、外資系企業では「シニアスペシャリスト」が48%、日系企業では「マネージャー、課長」が51%という結果となった。また、日系企業を見ると「マネージャー、課長」や「ディレクター、部長」といったポジションにも回答が集まっていることから、管理職の採用にも積極的な様子がうかがえる。