第13回 日本HRチャレンジ大賞『地方活性賞』
カラビナテクノロジー株式会社
ティールおよびホラクラシーでの組織マネジメント
個の「自律」と「多様性」の共存によって、マネジメント不要のティール組織、ホラクラシーの運営を実践。一般的には経営や管理本部の役割になる経営方針や報酬制度の決定など、組織づくりに関する仕事をサークル・ロール活動で社員自身が行う。自律自走しなければならない環境に置かれるので、結果的に社員のエンゲージメントが高まり、個人のやりがい、働き方の自由、キャリア支援につながる経験が積める、優れた取り組みであると高く評価されました。プロフィール
石本 真也 氏
カラビナテクノロジー株式会社
執行役員・CHRO
福岡県北九州市出身。京都産業大学で経営学を専攻。 2016年に、未経験ながらフロントエンドエンジニアとしてカラビナテクノロジーに入社。 2018年から、デザイン&フロントエンドチームのマネージャーとして、事業拡大を行う。 2021年に執行役員に就任し、翌年、CHROに就任。採用や自律型の組織づくりに挑戦中。 現在は、子育てと仕事の両立にも奮闘している。
寺澤 康介
ProFuture株式会社
代表取締役社長/HR総研 所長
1986年慶應義塾大学文学部卒業。同年文化放送ブレーン入社。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役等を経て、2007年採用プロドットコム株式会社(2010年にHRプロ株式会社、2015年4月ProFuture株式会社に社名変更)設立、代表取締役社長に就任。8万人以上の会員を持つ日本最大級の人事ポータルサイト「HRプロ」、約1万5千人が参加する日本最大級の人事フォーラム「HRサミット」を運営する。
社員の自律・自走組織づくりに向けた特徴と4つのポイント
【講演】カラビナテクノロジー株式会社 執行役員・CHRO 石本 真也氏
経営者の想いを組織づくりに落とし込むための4つのポイント
このたびは第13回日本HRチャレンジ大賞の「地方活性賞」をいただき、ありがとうございました。本日は自律・自走の組織運営に興味を持たれている企業様に何かご参考になるよう、我々の取り組みや事例をご紹介できればと思っています。弊社は2015年8月に福岡で設立された、まだまだ若い会社です。社員数は100名弱で、業務委託も合わせると常時120名くらいが働いています。事業としては、主にECサイト開発、Webサービス開発、アプリ開発などを行っており、社員の7~8割がエンジニアやデザイナーといった専門職に就いています。
ここで弊社の組織づくりに対する想いをご紹介します。代表の福田は、会社を設立する前から、「人はどうすれば仕事を通じて幸せになれるのか?」を、ずっと考えてきました。いわく「ふと世の中を見渡すと、仕事を楽しめていない人が多い。自分はラッキーだったのか、大変なことは多くあれど、仕事を楽しんできた。特に、自分の頭で企てて、物事を動かすことができたときが一番面白い。自分の会社を作るなら、皆が守るべきルールを100個作るより、個人が創造力を発揮できる環境を作るほうが、きっと楽しく働けるようになるはず」と。弊社の組織づくりにはそんな想いが込められているのです。
私たちは「やりたいことを、やりたいように、やれるようにする」という考え方を大事にしています。みんなの「やってみたい!」と思う仕事をいっぱいにすることで、それぞれのメンバーが仕事を通じて幸せになり、結果的にそれはお客様の未来にも繋がっていくでしょう。さらにそうした信念を実際に組織づくりに落とし込むために、4つのポイントを掲げています。
まず1つ目は、会社は所属するものではなく所有するもの(共同所有物)。2つ目は、自分が働く環境は自分で創る・改善する(その方が面白い)。3つ目は、利益はみんなで分配するもの。そして4つ目は、会社は個人が便利に使える器であるということ。弊社ではこうした考え方をベースに、それを維持したり改良したりするためにはどうしたらいいのかを自問しながら、新たな制度づくりや組織変更などを進めてきました。
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