国内の保険事業をはじめ、海外保険事業、金融事業とグローバルに展開されている東京海上ホールディングス株式会社では、グループ一体の経営モデルを推進し、さらに高い成長を持続させていくため人的投資を一層加速させています。

その最新の取り組みとして、2023年4月にグループ経営を担うリーダーを安定的・継続的に輩出するグローバルベースの人材育成機関「Tokio Marine Group Leadership Institute(TLI)」を創設しました。

今回、TLI立ち上げ時より担当されている東京海上ホールディングス株式会社 人事部 堀 豪志氏と、東京海上ホールディングスの営業担当としてアセスメントプログラムを提供する株式会社リードクリエイト 角田 創史氏が対談。TLIを軸にした「経営人材の育成」についてお話を伺いました。(以下敬称略)

取材対象者


  • 堀 豪志氏

    堀 豪志氏
    東京海上ホールディングス株式会社
    人事部 グループ人材戦略室 マネージャー

    2008年新卒で東京海上日動火災保険に入社。損害サービス部門において自動車保険の保険金支払業務を経験した後、2016年より人事企画部にて機構改革や要員戦略等、人事戦略の企画立案に従事。2019年より社員の能力開発業務に就き、人材育成方針の策定・推進、DX人材育成施策の立案、組織開発・風土変革の実現に向けた企画などを担当。2022年より東京海上ホールディングス株式会社に出向し、グループ人事戦略の立案・企画を現在担っている。

  • 角田 創史氏

    角田 創史氏
    株式会社リードクリエイト
    ソリューション事業本部 ソリューションパートナー室 プランナー

    2008年1月よりリードクリエイトに参画。主にコンサルティング営業を担当。リーダー育成をはじめとする企業内の各種人事課題解決に向け、人事評価、アセスメントプログラム、トレーニングの導入や運用支援を中心に活動する。

堀氏・角田氏

国内外グループ全体で大事にしている一人ひとりのアスピレーション

角田:本日は、東京海上ホールディングス様の経営人材育成を中心にお話を伺っていきます。まずは前提として、社員の成長やキャリア形成に熱心だと定評のある東京海上ホールディングス様の人材育成の考え方についてお聞かせいただけますか?

:社員の育成やキャリア自律を私たちは非常に重要視しています。大切にしているのは、一人ひとりの社員がアスピレーション(大志)を持つことです。

社会の変化が大きく、お客様の課題も広がっていることから、従来の事業領域のみならず、新たな挑戦をする必要があります。未知なる分野に飛び込むには、社会人として一人の大人として、社会や世の中に何を残したいのか、そうしたアスピレーションを発揮することが大切です。社員にはそれぞれのアスピレーションを起点としながら自らのキャリアを形成して欲しいと思っています。

そのために会社として、グループ全体を支援し、国内外に関わらず広く仕事の機会やキャリアパスを提供していきます。一人ひとりのアスピレーションが化学反応を起こすことで、大きな社会課題の解決に貢献していきたいと考えています。
堀氏
角田:アスピレーションが、様々なキャリア施策のテーマとなっているのですね。では、様々なアスピレーションを胸に働く社員の方々を率いる経営人材育成プログラムTLIについて、概要をお聞かせください。

:TLI(Tokio Marine Group Leadership Institute)は、東京海上グループ独自のグローバル経営人材育成機関として、2023年4月に設立されました。東京海上ホールディングスのグループCEOである小宮暁が学長を務め、グループ一体経営を担う未来の経営人材を継続的に育成・輩出していく仕組みです。日本国内のみならず、海外の方も含めて経営人材候補が参加しています。育成プログラムは、座学研修だけでなく、候補者の専門性やアスピレーションを起点にタフな経験機会や、新規事業への挑戦機会などを提供していきます。

また、私たちのこれまでの歴史の中で受け継がれてきた「お客様本位・社会課題解決・グローバル視点・チャレンジマインド・自由闊達」といったグループに息づく精神を、現在の経営陣から次世代へとバトンリレーしていく場でもあります。

角田:TLIが発足した経緯についてもお聞かせください。

:グループCEOの小宮の想いが非常に強いです。私たちは幸いなことにグローバル展開を拡大しながら、シナジー効果の創出に取り組むことでこれまで着実にグループ一体経営を推進することができています。このグループ一体経営を将来にわたってよりサステナブルなものにするために、TLIは創設されました。リーダーは自然発生的に生まれるという考えもあるかもしれませんが、私たちは継続的・計画的に人材を育てていき、世代が変わっても東京海上グループの精神を備えたリーダーがグループ一体経営を続けていく未来を見据えているのです。

TLIに卒業はない。縦・横・斜めでつながるアルムナイネットワーク

角田:単発の研修というわけではなく、東京海上グループを率いる人材を育てていくTLIですが、対象となる階層は限られているのでしょうか。
角田氏
:一部の限られた層ではなく、役員から若手世代まで、そして日本だけではなくグローバルに縦横ともに幅を持たせています。また、もうひとつ特徴的なのは、縦横だけではなく、“斜め”でもつなげていることです。TLIに1年参加して終わりではなく、翌年度に参加する社員ともつながりを持てるような、アルムナイネットワークを活性化させていこうとしています。



この後、下記のトピックが続きます。
続きは、記事をダウンロードしてご覧ください。

●TLIが活性化していく、アルムナイネットワークの仕組み
●グループ一体経営の実現に必要な人材育成の考え方とは
●多様な人材を評価・育成するのに必要な「共通のものさし」
●TLIが大切にしている3つのコンセプトとアセスメントの関係性
●TLIの成果とアセスメント活用によって見据える育成の展望

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