企業がピンチに陥ったとき、そしてこれまでの延長線上ではない施策が必要になったとき、人事は会社や組織のために何ができるのか。一時は国内ERPパッケージシェアNo.1 を誇ったワークスアプリケーションズは、2017年頃から大きな困難に直面した。しかし、主力事業売却といった大きな決断を経て、新体制で事業の建て直しに取り組み、黒字化を実現。無事、再生を果たした同社であるが、その裏側で、人事ではどのような関わり、動きがあったのだろうか。今回、株式会社ワークスアプリケーションズ 人事総務本部 本部長 平山俊大氏に、再生に向けて実施した施策、変化に対応していく中での人事としてのスタンスなどについてお話を伺った。

プロフィール

  • 平山 俊大 氏

    平山 俊大 氏

    株式会社ワークスアプリケーションズ
    人事総務本部 本部長

    2005年に新卒で入社した大手ソフトウェア会社の人事部にて人事企画や人材開発に従事。その後、2017年にワークスアプリケーションズに入社。HRBPチームの立ち上げや事業売却のPM、各種制度の変更などを推進し、2021年より本部長に就任。

再生を果たしたワークスアプリケーションズ――人事が果たした「3つの役割」と「経営層との関係づくり」

国内シェアNo.1から、業績の急落、そして分社化――人事組織も1/3規模に

――貴社の業績悪化から再生の過程における人事の役割をお伺いする前に、まずは、ワークスアプリケーションズ様のこれまでの歩みをお聞かせください。

ワークスアプリケーションズは、1996年創業のIT企業です。「日本の情報投資効率を世界レベルへ」「クリティカルワーカーに活躍の場を」をミッションとして掲げ、大手企業向けの国産ERPパッケージの開発を始めました。急成長を続け、2001年にはJASDAQ上場、2010年には大手企業向けERPパッケージ市場でシェアNo.1となるなど、業績は非常に好調でした。

その後、年間1000人超の採用を行うなど拡大路線を走りましたが、2017年ごろから業績が急速に悪化しました。私はちょうど、その頃に入社しました。そして2019年、主力だった人事給与ソフト(HR)部門を売却し、事業再生をするフェーズに入りました。

――人事の側面では、ワークスアプリケーションズといえばインターンシップが非常に特徴的で、以前は先進的な取り組みをしていらっしゃいました。

そうですね。今でこそインターンシップは様々な企業で当たり前のように行われていますが、当社は2002年からインターンシップを開始しました。有給インターンシップとして先進的で、「後輩におすすめしたいインターンシップランキング」では6年連続No.1を獲得しました。また、働きがい・働きやすさ双方の環境整備にも取り組み、「働きがいのある会社」ランキングでは、2017年まで10年連続でベストカンパニーに選出されていました。

――困難な状況に直面し、その後、どのような体制になったのでしょうか。

国内全体では、もともと約3000名の組織がありましたが、事業売却により再生を目指す組織は約1000名に縮小しました。その結果、分社前は60名ほどいた人事部門も、残ったのは20名程度となりました。

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