プロフィール
三浦 孝文 氏
株式会社ノンピ
CHRO/取締役 人事本部長NTTドコモと電通のつくったモバイル広告会社のD2C、レシピサービスのクックパッドで人事を経験後、2017年に当時のオイシックスに入社。大地を守る会、らでぃっしゅぼーや、シダックスとの経営統合プロセスを人材企画や経営企画の部長として経験。2024年2月からノンピへ出向し現職。
連載のきっかけは、人事としてどのように経営課題に向き合っていけばよいかという悩みから
――まずは、今回の連載の背景についてお聞かせください。まず、私自身の現在の立場についてお話しすると、この数年で、私が所属する会社も、そして、会社の中での立場も大きく変化しました。私は2017年にオイシックス(現:オイシックス・ラ・大地)に中途入社したのですが、入社当時は正社員が200人ほどだった組織も、経営統合や事業成長を繰り返すなかで、今ではグループ企業全体で正社員5000人、パート従業員などを含めると4万人を超える規模に成長したのです。
そうした会社の環境変化のなか、私自身はオイシックス・ラ・大地に籍を置きつつ、2024年2月に社員食堂などのコントラクトフードサービスやケータリングサービスの運営を手がけるグループ傘下のノンピに出向し、取締役人事本部長として、子会社経営、子会社IPOにチャレンジしています。これは、十数年後、数十年後、ノンピが今の日本を代表するような会社となるためのスタートラインだと考えています。オイシックス・ラ・大地という既に大企業になりつつある親会社を、いかにグループ会社を含めて巻き込みながら、ノンピのこれからを作っていくのか。非常に難しくもチャレンジしがいのある局面に対峙していると考えています。
現在は、JTCと言われる日本の伝統的な会社も、十数年前、数十年前は小さな組織から始まったと思います。そこで、例えばそういう会社のCHROや人事責任者の方々に対して、どのように経営課題や事業課題に向き合い、解いていけばいいのか、そこに人事がどのように関わっていくべきか、先駆者の方々に色々なことを伺いたいと思い、この連載企画を立ち上げました。
――スタートアップが大手傘下に入る動きも活発ですから、同じような課題に向き合っている方も多いかもしれません。
そうですね、立場も様々だと思います。私のように、親会社から出向している人、送り出す親会社の経営陣、逆に出向してきた人を受け入れるスタートアップサイドの人、それぞれに抱える課題があります。カルチャーも異なる中で、どうやって両社の強みやアセットを活かしながら経営をしていくのか、それぞれが試行錯誤をしているはずです。しかし、そういった試行錯誤はあまり表に出ていません。出ていないだけで、学べること活かせることは沢山あると思うんです。今の時代、事業やサービスを続けることの難度がすごく上がっていると思います。変化も多いし、自分たちからも変えやすいからこそ、続けていくことの価値も相対的に高まっています。この企画で、先駆者の試行錯誤から学び、読者である経営や事業課題に向き合う人事の方にも持続的成長との向き合い方のヒントをお届けできたらいいなと思っています。何より私自身が一番学び、実践したいと考えています。
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