プロフィール
座間 康 氏
富士フイルムホールディングス株式会社
執行役員 人事部長 総務部管掌
富士フイルム株式会社
取締役 常務執行役員 人事部長 総務部管掌
1987年、富士フイルム株式会社に新卒入社。マーケティング、国内営業、人事、海外営業を経て、2019年富士フイルム株式会社の執行役員 人事部長に就任、2021年より富士フイルムホールディングスの執行役員 人事部長に就任し、現在に至る。
三浦 孝文 氏
株式会社ノンピ
CHRO/取締役 人事本部長 兼 foodox事業部長
NTTドコモと電通のつくったモバイル広告会社のD2C、レシピサービスのクックパッドで人事を経験後、2017年に当時のオイシックスに入社。大地を守る会、らでぃっしゅぼーや、シダックスとの経営統合プロセスを人材企画や経営企画の部長として経験。2024年2月からノンピへ出向し現職。
事業環境の変化に対応できたのは、富士フイルムのカルチャーが根底にあったから
三浦氏:座間様は1987年、貴社に新卒で入社されました。会社を選ばれた一番の決め手は何だったのですか。座間氏:きっかけは、富士フイルムから送られてきた採用パンフレットです。そこに、「反採用宣言」と掲げられていたんです。当時の日本はバブル景気に差し掛かっていたので、学生主体の就職活動が繰り広げられていました。それだけに、「何だこれは」と気になり読んだのです。「今は物凄く業績が良く、認知度も高い会社であるものの、将来、本業の写真フィルムもなくなる時代が来るかもしれない。それで尻込みしてしまうようであれば応募しないでください」といったような主旨のことがそこに書かれていました。どの企業も必ず課題や問題に直面しながらもそれを正面から受け止めて、乗り越えていかないといけないというメッセージを就活性に投げかけてきたわけです。
普通なら、採用で学生にわざわざそんなことを言う必要はないですよね。「何て正直な会社なのか」と直感的に思いましたね。同時に、「この会社って、本当は強いのでは」と感じました。何か裏付けや自信がなければ、会社の弱みや本質的なところをさらけだせないからです。それで、僕は富士フイルムという会社に興味を持ちました。入社後の90年代は写真フィルムの業績は絶好調で仕事に追われ、採用メッセージはいつの間にか忘れてしまうのですが。
三浦氏:その後、貴社に大きなパラダイムが訪れます。
座間氏:2000年辺りからデジタル化の影響でコアのビジネスであった写真フィルムが減少してきて事業環境が大きく変わりました。経営陣は相当な危機感を持って会社を変えようと必死でした。そのとき初めて、「採用パンフレットに書かれていたことが本当だったんだ。ここで我々が頑張らなければいけない」と痛感したことを覚えています。
その後、事業構造を大きく転換しながら成長を遂げることができました。まさに、第二の創業です。それが実現できた背景には、富士フイルムのブランド力や財務力、技術力などもありましたが、それ以上に大きかったのは1934年の創業以来、脈々と受け継がれてきた富士フイルムのカルチャーが根底にあったからだと思います。「ピンチではない。これは、チャンスなんだ」という意識が全社で共有されていたのです。カルチャーという土台があったからこそ、事業構造の転換を進めることができたと思っています。木に例えるなら、枝や花は変わっていっても、根っこにあるものは変わらないということです。富士フイルムグループの行動憲章・行動規範にある“オープン、フェア、クリア”の精神もその一つと言えます。
三浦氏:いつの時代にあっても変わらない会社の姿勢、考え方が貴社の自己成長支援プログラム「+STORY(プラストーリー)」にも、繋がっていると感じます。
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